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周易詳解(一部抜粋) 概論一

周(しゆう)易(えき)(易経)詳解

 令和四年四月吉日、Kindleから「周易(易経)を読み解く 六十四卦・文言伝」を出版した。周易(易経)の根幹である六(ろく)十(じゆう)四(し)卦(か)と六十四卦の中でも「乾(けん)為(い)天(てん)」と「坤(こん)為(い)地(ち)」の二つの卦を補足している文(ぶん)言(げん)伝(でん)について、原文(漢文と書き下し文)を丁寧に意訳(わたしの主観を交えた現代語訳)した本である。
 今回出版した「周易(易経)詳解」は、単に原文を意訳するだけでなく、わたしなりの解釈を加えて六十四卦を詳細に解説すると共に序卦伝の原文及び意訳と柄澤照覚著「易之極意」の中から「六十四卦大意」の意訳を加えた。

まえがき

 周易(易経)の原型は今から四~五千年前に古代支那の伏羲(ふつき)が考案したと伝わる「八卦(はつか)」と「六(ろく)十(じゆう)四(し)卦(か)」である。日本の国文学者の平田篤(あつ)胤(たね)は伏羲の正体は出雲の国作りを行った大国主の神であると主張している。その主張の根底にあるのは、古代(六千年前)の日本に存在したと伝わる神代文字(ヲシテ文字)の基本概念が陰陽の理論であり、八卦と六十四卦の根底にある陰陽の概念と共通しているからだと著者は解釈している。
 その真偽は証明できないが、陰陽の概念を根幹に生み出された八卦とその八卦が重なって出来た六十四卦の物語(単なる物語ではなく、宇宙空間におけるありとあらゆる現象を説明する時の物語)が周易(易経)の本質であり魅力である。
 易経が日本に伝来した(平田篤胤の説によると逆輸入された)のは西暦五百年代である。そのことは聖徳太子が西暦六百四年に書いたと伝わる「十七条憲法」の原文を読めば分かる。明らかに易経から引用したと思われる文章があるからである。
 本書は、令和四年四月吉日、Kindleから出版した「周易(易経)を読み解く 六十四卦・文言伝」をベースにして、わたし独自の周易(易経)の解釈を加えて六十四卦を読み解いたものである。宇宙空間におけるありとあらゆる現象を説明する周易(易経)の魅力を存分に味わってほしい。 令和五年五月吉日 周易(易経)研究家 白倉信司