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周易詳解(一部抜粋) 概論二

周易(易経)とは何か

 太極とは宇宙の根源的エネルギー(一大元氣)である。この根源的エネルギー(一大元氣)があるから万物が存在する。太極のない状態は何もない状態。空間も物質もない。時間も感情もない。完全なる「無」である。この「無」からは何も生まれない。太極という宇宙の根源的エネルギー(一大元氣)がなければ何も存在しない。全ては太極(根源的エネルギー・一大元氣)から始まるのである。
 日本創設の神話「古事記」は、次のような文章で始まる。
「天(あめ)地(つち)初發(はじめ)の時、高(たか)天(あま)原(はら)に成りませる神の名(みな)は、天(あま)之(の)御(み)中(なか)主(ぬし)の神」
 天(あま)之(の)御(み)中(なか)主(ぬし)の神とは太極のことである。まず太極が潜在的な宇宙空間に成りました(泉のように湧き出てきた)のである。古事記には、宇宙(高(たか)天(あま)原(はら))は天(あま)之(の)御(み)中(なか)主(ぬし)の神(すなわち太極)から始まったと書いてある。天(あま)之(の)御(み)中(なか)主(ぬし)の神は八卦太極図の太極そのものである。
 太極は宇宙の根源的エネルギーだが、太極のままでは宇宙は誕生しない。太極の中に潜んでいる「陽(⚊)」なる存在と「陰(⚋)」なる存在が結合して(結ばれて)初めて宇宙が誕生するのである。「陽(⚊)」の役割は、万物を誕生させるためにシナリオを描いてエネルギーを発することである。「陰(⚋)」の役割は、万物を誕生させるために「陽(⚊)」が発するエネルギーを受け容れて(陽と陰が結合して)、「陽(⚊)」が描いたシナリオを実現すべく万物を生み出すことである。
 「古事記」には、天(あま)之(の)御(み)中(なか)主(ぬし)の神に続いて、高(たか)御(み)産(む)巣(す)日(ひ)の神と神(かみ)産(む)巣(す)日(ひ)の神が成ります(湧き出てくる)が、「陽(⚊)」が高(たか)御(み)産(む)巣(す)日(ひ)の神であり、「陰(⚋)」が神(かみ)産(む)巣(す)日(ひ)の神である。「陽(⚊)」と「陰(⚋)」が結合して「大陽(⚌)」「少陰(⚍)」「少陽(⚎)」「大陰(⚏)」を生み出す。「古事記」では「少陰(⚍)」を宇(う)摩(ま)志(し)阿(あ)斯(し)訶(か)備(び)比(ひ)古(こ)遲(じ)の神と云い、「少陽(⚍)」を天(あま)之(の)常(とこ)立(たち)の神と云う。すなわち、「陽(⚊)」の高(たか)御(み)産(む)巣(す)日(ひ)の神と「陰(⚋)」の神(かみ)産(む)巣(す)日(ひ)の神が結合して(結ばれて)宇宙空間が誕生した。その宇宙空間を「乾(☰)」と云い、その宇宙空間に無数に存在する惑星を「坤(☷)」と云う。
 すなわち八卦は宇宙空間である「乾(☰)」と宇宙空間に無数に存在している惑星である「坤(☷)」を根幹とする。
 八卦のうち「乾(☰)」と「坤(☷)」以外の六つの卦は「坤(☷)」の惑星を構成している基本的な要素である。