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易経(周易)を読み解く 六七(地澤臨 初二三)

初九 ‥‥‥ ‥―― 之卦 三六地火明夷
初九。咸臨。貞吉。
○初九。咸(かん)臨(りん)す。貞(てい)にして吉(きつ)。
 剛健正(せい)位(い)の賢臣初九は柔順正位の大臣(天子・トップの側近)六四と相(あい)応(おう)ずる関係にある。六四の大臣(側近)も初九の賢人も感(かん)応(おう)し合って、賢臣初九は大臣六四の信任を得て世の中に臨む。正しい道を固く守れば幸運を招き寄せる。
象曰、咸臨。貞吉、志行正也。
○象に曰く、咸(かん)臨(りん)す。貞(てい)にして吉(きつ)とは、志正しきを行う也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。賢臣初九は柔順正位の大臣(天子・トップの側近)六四の信任を得て世の中に臨み、正しい道を固く守るので幸運を招き寄せる。正しい志を抱いて人の道を真っ直ぐに進み行くからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)志を同じくする上司と共に力を尽くして、事を成し遂げようとする。陰柔の性質を有する六四(上司)が、陽剛の性質を具えている初九を抜擢任用して、共に志を合わせて、事を成就する。
○運氣が盛んに進む時である。是非善悪を明らかにして、至誠の心を尽くして進み行けば、吉運を招き寄せる。
○家業によく勤めて、志願を達成する。 ○男女が互いに情を通じる。
○有力者と共に事を為せば、吉運を招き寄せる。
○上は空っぽで、下は充実している。
○上位者が下位者を求める時。
○組織の長(社長や党首)に就任する。
○人と志を同じくすることによって、希望していることが実現する。
○上位者から期待される。それに阿(おもね)ることなく、真っ直ぐで正しい志を実現するために、進み行く時である。

九二 ‥‥‥ ‥―― 之卦 二四地雷復
九二。咸臨。吉无不利。
○九二。咸(かん)臨(りん)す。吉(きつ)にして利(よろ)しからざる无(な)し。
 忠臣九二は剛健中(ちゆう)庸(よう)で才能と人德高く柔順中庸の六五の天子(トップ)と相応じている。六五の天子(トップ)は忠臣九二の才能と人德に感動する。忠臣九二は六五の天子(トップ)の信任を得て事に臨むから、何事も宜しくして、何の問題も起こらない。
象曰、咸臨。吉无不利、未順命也。
○象に曰く、咸(かん)臨(りん)す。吉(きつ)にして利(よろ)しからざる无(な)しとは、未(いま)だ命(めい)に順(したが)わざる也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。忠臣九二は六五の天子(トップ)の信任を得て事に臨むから、何事も宜しくして、何の問題も起こらない。
 忠臣九二が時には六五の天子(トップ)の発する命令に順わず、諫(いさ)めることも辞さない態度で事に中(あた)るからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)天運盛んな時。必ず目上の人は貴方の存在を認知してくれる。貴方は目上の人から抜擢されて、幸運を招き寄せる。
○時運に適合する形で自分の才能を発揮する時。よく勉強して天命に従うべきである。
○上位者は下位者の中から、才能がある者を抜擢して、志を共にする協力関係を築き、業務に従事すれば大成功に至る盛運の時である。

六三 ‥‥‥ ‥―― 之卦 十一地天泰
六三。甘臨。无攸利。既憂之无咎。
○六三。甘(かん)臨(りん)す。利(よろ)しき攸(ところ)无(な)し。既(すで)に之(これ)を憂(うれ)うれば咎(とが)无(な)し。
 六三は柔弱不正で才能と人德が乏しいのに邪(よこしま)な志(野心・野望)を抱いて下卦兌(だ)の最上に居る。巧(たく)みに人を悦ばせる言葉や物腰柔らかな態度(下卦兌の主爻)で下々に臨(のぞ)み、媚(こ)び諂(へつら)って人の上に立つ。それゆえ、何をやっても失敗する。
 六三が己の非を知り、憂(うれ)えて態度を改めれば、咎(とが)められることは免(まぬが)れる。
象曰、甘臨、位不當也。既憂之、咎不長也。
○象に曰く、甘(かん)臨(りん)すとは、位(くらい)當(あた)らざれば也。既(すで)に之(これ)を憂(うれ)うれば、咎(とが)、長からざる也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。佞人六三が媚(こ)び諂(へつら)って人の上に立つのは、邪(よこしま)な志(野心・野望)を抱いて下卦兌(だ)の最上に居るからである。
 六三が己の非を知り、憂(うれ)えて態度を改めれば、最初は咎められることがあっても、漸(ぜん)次(じ)に咎められることはなくなっていくであろう。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)知恵も力もないのに、小賢しいことを考えて、人を惑わそうとする。何事も為し遂げることはできない。世間を甘く見て失敗する。今、臨の時に中って君子に近付き、君子を見倣って、自分の非を悟り、志を改めれば咎を免れる。善き道を歩み始める入り口となる。
○相手(陽)が自分(陰)に近付き迫ってくる時である。
○邪心を抱いて世の中に対処しようとして凶運や困難を招き寄せる時。早く自分の非を悟って改めなければならない。
○心卑しき人物が、心貴い人物に成り代わって権力を振るう時。