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はじめての易経 27.山雷頤

二十七山雷頤 ☶ ☳ 艮上震下

 互卦  二坤爲地  ☷☷  綜卦 同
 錯卦 二八澤風大過 ☱☴

 山雷頤は上卦艮☶を上顎(うわあご)(上の歯)と見て、下卦震☳を下顎(したあご)(下の歯)と見る。上顎(うわあご)(上の歯)はどっしりと構えて動かない。上卦艮の性質でもある。下顎(したあご)(下の歯)は上下によく動いて、口の中に入ってくる食べ物を噛み砕く。
 上爻と初爻の間に四つの陰爻が在る。陽爻を充実していると考えると陰爻は空っぽである。つまり、今は中身が空っぽだから必要な物を蓄え養わないとならない。あるいは山雷頤☶☳を八卦に圧縮すると離☲になる。離にも空っぽ(中が空虚なもの)という性質がある。
 以上のことから山雷頤を中身が空っぽな社会・組織・人間等に当て嵌めて考えることができる。
 中身が空っぽな社会とは、社会制度が整っていない社会であろう。指導者は、今、この社会にどんな制度が必要なのかを考えて、それを何らかの方法で蓄え養う。具体的には封建主義の社会から民主主義の社会に移行する時などが該当する。中身が空っぽな組織を家族に当て嵌めると、男女が結婚して夫婦となり、家に必要な家具類や生活用品を蓄え養い、家庭を築いていくことなどが該当する。人間に当て嵌めると食事を取らずに栄養失調になっている人や長年学ぶことを怠って頭が空っぽになった人である。栄養失調の人は必要な栄養を蓄え養うことが必要であり、頭が空っぽの人は必要な知識を蓄え養うことが必要である。
 今必要な物を見極めて蓄え養う山雷頤の時に適切に対処できるかできないかによって、善くも悪くもなるのである。

 以上が山雷頤の概要である。
 ここから先は原文(漢文と書き下し文)を示した上で、初心者でも理解できるように意訳していく。(太字を読めば理解できる。)以下省略。