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はじめての易経 6.天水訟

六天(てん)水(すい)訟(しよう) ☰ ☵ 乾上坎下

 互卦 三八風(ふう)火(か)家(か)人(じん) ☴☲
 綜卦  五水(すい)天(てん)需(じゆ)  ☵☰
 錯卦 三六地(ち)火(か)明(めい)夷(い) ☷☲

 天水訟は組織内部で争い事が起こる時、内輪揉めする時である。上卦乾(組織上部)は剛健(剛毅で健やか)だから、下卦坎(組織下部)が太刀打ちできないほど強い。下卦坎(組織下部)は険しい気持ちで上卦乾(組織上部)に立ち向かおうとするが強敵なので迂闊に動けない。上卦乾(組織上部)は天なので上に在り、下卦坎(組織下部)は水なので下に在る。上と下が離れ離れで一体化できない。以上のような上卦と下卦の関係を組織内部の争い事、内輪揉めと見る。
 組織内部の争い事は勝った負けたの決着をつけてはならない。勝った負けたの決着は組織の分裂につながる。組織を維持するためにはお互い妥協して調停することが必要となる。調停するためには争っている者の間に立つ人格者が必要となる。天水訟ではその人格者を五爻と見立てる。五爻は組織トップの位である。
 以上のことから、組織を国家とすれば五爻は政府あるいは総理大臣、会社とすれば五爻は社長、会社以外の様々な組織とすれば五爻はリーダーと呼ばれる人、家庭であれば父親(場合によっては母親)である。
 トップが人格者なら収まるが、そうでなければ収まらない。

 以上が天水訟の概要である。