二七 山(さん)雷(らい)頤(い) |・・ ・・| 口から栄養・頭に教養
フナ(二七)を食べよう「山(さん)雷(らい)頤(い)」 互卦 二坤為地
※栄養や教養を取り入れて養う時。消化不良にならないように気を付けるべきである。
口から栄養を取り氣力を養うように万物(自分と天下万民)を養う時。
今、何を養うべきかをよく考えて、人に求めることなく、自発的に行う時である。
君子(立派な人)は、口から出る言葉を慎み、口から入る食べ物を節制する。
口から栄養を、頭から教養を取り入れて、身心を養うように、万物(先ずは自分を、そして家庭や社会を、やがては天下万民)を養う時である。
よく慎んで節制すべき時である。共同して事を成し遂げようとすれば成就する。
正しい道(人として正しい生き方)を踏み行うべきである。今、何を養うべきかをよく考え、人に依存することなく自発的に行動するべきである。
動くべきか止まるべきか迷う時。答えは人に求めず、自分で決めるべきである
相手は自分を疑い、自分は相手を疑う。お互い本心を表に出さないので物事が調和しない時でもある。君子は口から出る言葉を慎み、口から入る食べ物を節制する。
〇雷は動き山は止まる。そこには一定の法則がある。正しく養うことを失ってはならない。軽々しく言葉を口に出すと禍(わざわい)を招き、食べ過ぎると体に害を招く。よく慎んで節制すべきである。吉凶禍福は、行動から生ずる。目下の人に注意すべき時である。
○大きな事を言うが、実質が伴わない(何もできない)時である。
○お腹を減らした人が、アゴを下げて、食べ物や飲み物を乞(こ)い求める時である。
○頤(あご)の中に物が入ってない。空腹は、正しい道を履み行なうことで吉運が開ける。外から物を手に入れるよりも、自分を養ってくれる所を選ぶべきである。
○相手が自分を疑い、自分は相手を疑う。だから、お互い本心を表に出さずに、物事が調和しない時である。 ○養う時。 ○起業する(業を産む)時。
○下卦三爻は生活のために働いて、自分を養っている。自分が動こうとすれば、相手(上卦三爻)が自分を止め、相手が動こうとすれば(ひっくり返って綜卦となり)、自分が相手を止めて、お互いに意地を張り合って妨害する時である。
○飲み食いを節制し、発する言葉を慎んで、身を保つ時である。
○人々が共同して事を成し遂げようとすれば成就する。
○自分を養うのも、人を養うのも、正しいか、正しくないかによって、幸不幸が決まる。事の始めに、どうあるべきかを、よく考えるべきである。
○禍(人災)は口から出る言葉から起こり、病気は口から入る飲食物から起こる。小さな舌が、大きな心身を損なう原因となる。 ○動くべきか止まるべきか迷う時である。
① 山雷頤初爻 |・・・・| 之卦山地剝 |・・・・・
欲張りのあなたは、トップ⑤の師として君臨する相談役⑥を見て、涎(よだれ)を垂らして羨(うらや)ましく思う。気持ちがフラフラして何も手につかない。情けない状況である。
今は人に頼る依存心を克服して、自分が持っている陽の力を蓄え養う時である。
〇社会や組織の下層に居て、経済的に裕福になっても満足しない。欲を出して、贅沢三昧を堪能しようとするから、禍(人災)を招く。地方の豪商が祖先から長年続いている事業を大事にせず、平凡な能力しかないのに、役人になることを望む。そのような人が、お国のために力を尽くすはずがなく、役人になって権力を手にすることを望む。人と利益を競うべきではない。この時に処するに、以上のあり方を反面教師にすべきである。
○自分の利益を優先しようと考える。 ○気持ちがフラフラして何も手に付かない。
○自分の才能と能力を過小評価して、人に頼って働こうとしない。人から批判される。
② 山雷頤二爻 |・・・・| 之卦山澤損 |・・・・・
あなたは自らを養う力はなく、トップには養ってもらえない。部下①に養ってもらうのは恥ずかしいことだがこの際仕方がない。あなたの力が足りないのである。
何の縁故もない上司に養ってもらおうとすれば、禍を招き寄せることになる。
〇得られる財産は少なく失う財産は多い。出入りがアンバランスな時である。上司を補佐できず、部下に助けられる。それゆえ、上の者からは信頼されずに支援が断ち切られる。
○自分を養うことができないので、人に養ってもらうのを待っている。
○あなたは人の厄介になる(人に迷惑をかける)ことを、悪いと思っていない。
③ 山雷頤三爻 |・・・・| 之卦山火賁 |・・|・|
あなたは自らを養う力もないのに妄動しようとする。力のある相談役⑥に養ってもらうべきである。妄動すれば生涯を棒に振ることになる。
今は過分の地位に居ることを覚り、本業(持ち場)に徹して努力すべきである。
〇本業に安んずることなく、何かを得ることを願って、あれこれ多くのことを求めるが、逆に財産を失う(損失する)時である。その人にとっては分の過ぎた職業・職位に就いていながら、それ以上の出世を望んで、人災を招く。
人の恩に馴れ感謝する心を忘れて、世間の信用を失わないように慎むべきである。
○柔弱で邪心が強く不正の位に居る。動き(下卦震雷動)の極致に居るので、正しい道を踏み外してしまう。凶運である。 ○道を大きく踏み外す。 ○恩を仇で返す時である。
④ 山雷頤四爻 |・・・・| 之卦火雷噬嗑 |・|・・|
あなたがトップ⑤の側近としての任務を全うするために、虎のような威厳を保ち、慎んで部下①の協力を得ることができれば、天下万民に恩沢を施すことができる。
あなたは志を確立して人徳を養い、部下を大切にするべきである。
〇外に向かっては、威厳を具えて、大衆の心を信服させ、内に向かっては、心和らぎ、柔順に民の感情を治めることが肝要である。
○四爻から上の爻は、人德と大義を養う人である。四爻は柔順な性質で位正しく、応ずる初爻も位が正しい。初爻の助けによって四爻は天下に恩沢を施す。下の者に助けられるのは逆さまだが吉運である。 ○智恵と人德を具えた人に随う時である。
⑤ 山雷頤五爻 |・・・・| 之卦風雷益 ||・・・|
あなたにはトップとしての力量がない。師と仰ぐ相談役の指導を受ける。あなたが相談役の教えに素直に順えばトップとしての役割を全うすることができる。
あなたには天下国家を養う力はない。側近④も部下②も役に立たない。相談役⑥を師と仰いで指導に順えば、天下国家を養える。自分の分を弁えて欲を出してはならない。
〇本業を堅固に守り、素行自得を肝要とする。欲を出して新たに大事業に取り組めば、徒(いたずら)に財産を失うことになる。何事も目上の智者に質問して、綿密に事を処すべき時である。
○陰柔が尊位に居て人を養うことができない。⑥に養ってもらう。上に師匠が存在する。自分が足りないところを上に居る師匠に順い補ってもらう。吉運だが、志は柔弱である。
○尊敬されているが、心の中に不安がある。
⑥ 山雷頤上爻 |・・・・| 之卦地雷復 ・・・・・|
あなたは慎んでトップ⑤を指導して天下万民を養う。天下万民に大いに喜ばれる。
あなたは相談役としてトップを指導して天下国家を養う。治国平天下を実現すれば名声を手に入れることもできる。リスクの高い大事業に取り組んでも大丈夫である。
〇天から授かった才能を有する国家の顧問である。心身共に国家に尽くして、治国平天下を実現させる。賢人の運氣が盛んになる時。 ○智謀を養って終には功を成し遂げる。
○養うところが正しいので、やがては吉運に恵まれる。
○至高の地位は危険である。功を成し遂げ、名声を手にして引退する。
○親戚や知人などを憐れんで、養うことがある。