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人生に役立つ易経 地天泰

象曰、天地交泰。后以財成天地之道、輔相天地之宜、以左右民。
○象に曰く、天地交わるは泰なり。后(きみ)以て天地の道を財(ざい)成(せい)し、天地の宜(ぎ)を輔(ほ)相(しよう)し、以(もつ)て民(たみ)を左右(たす)く。
 天地交わり大いに和合するのが泰の形である。君主(トップ)はこの卦象に見習って、天地の道を踏み外さないように仁政(臣民を思いやる政治)を行って人の道を補(おぎな)う。萬(ばん)民(みん)に寄り添うように國(組織)を治めるのである。

 ここまでが、原文(漢文と書き下し文)と意訳で見た、地天泰の「大きな物語」である。

 ここからは「小さな物語」となる。「小さな物語」は六つある。一つひとつを原文(漢文と書き下し文)を示した上で、初心者が理解できるように意訳していく。

初九 ☷☰  之卦 四六地風升☷☴

初九。抜茅茹。以其彙。征吉。
○初九。茅(ちがや)を抜くに茹(じよ)たり。其(そ)の彙(たぐい)を以(もつ)てす。征(ゆ)きて吉。
 賢人の貴方(陽爻陽位の正位)は、正応六四の大臣(トップの側近)に抜擢される。一本の茅(ちがや)(初九)を引き抜けば他の茅(ちがや)(九二・九三)も一緒に引き抜かれるように、九二と九三を一緒に引き連れて行き、朝廷(組織や社会)にお仕えするが宜しい。
 賢人の貴方が(初九・九二・九三)が率先して天下国家にお仕えすれば、幸運を招き寄せるのである。
象曰、抜茅、征吉、志在外也。
○象に曰く、茅を抜く征きて吉とは、志外に在れば也。
 六四の大臣に抜(ばつ)擢(てき)された賢人の貴方が、九二と九三を一緒に引き連れて行き、朝廷(組織や社会)にお仕えする。賢人の貴方が朝廷(外卦・組織や社会)に結集して、天下泰平の志を同じくするから、幸運を招き寄せるのである。以下省略。