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明治十九年出版 高島易断 現代語訳(一部掲載)

2026年6月14日

【占例】松方大蔵大臣に謁見し明治十六年豊作か凶作かを占う
松方大蔵大臣に謁見した。大臣がおっしゃった。今年は春が来ても雪が深く寒い日が続いている。わたしは密かに農産物が不作になるのではないかと心配している。そこで、今年は豊作か凶作かを占筮してほしいとおっしゃった。わたしが慎んで筮したところ、乾為天が天澤履に変ずる(中筮法で出したか、あるいは乾為天三爻と之卦天澤履三爻を解釈した)という結果となった。
九三の爻辞には「君子終(しゆう)日(じつ)乾(けん)乾(けん)し、夕べに惕(てき)若(じやく)たり。厲(あやう)けれども、咎(とが)无(な)し」とある。大体、乾は天に配当できるから太陽を象(かたど)っている。なお且つ乾為天の六爻は皆陽爻で一つも陰爻がない。また、爻辞には「終(しゆう)日(じつ)乾(けん)乾(けん)」とある。乾乾とは干(ほ)す干(ほ)すの意味もある。これは旱魃の意味となる。
九三が六三に変ずると互卦二三四☰☱で火☲となる。今年が旱魃となることは間違いないだろう。「夕べに惕(てき)若(じやく)たり」とあるのは、国民は旱魃を恐れているということである。「厲(あやう)けれども、咎(とが)无(な)し」とあるのは、乾為天☰☰の二爻には「見(けん)龍(りゆう)田(でん)に在り」とある。その田(たん)圃(ぼ)の上に太陽が出ている象(かたち)☰☱なので、旱魃になっても、田圃に実りのある年になるので、国民が飢えることにはならないと占断したのである。結果は占断の通りであった。

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