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明治十九年出版 高島易断 現代語訳(一部掲載)

2026年6月10日

わたしも明治の創成期に生きている人間である。それなのに自分自身が安寧で守られることだけを図り財産を貯えることだけを考えてきた。もし、このまま人生を終えるとするならば命をかけて維新を成し遂げた人々(君子)はわたしのことを何て言うだろう。これまで不肖の生き方をしてきたわたしであるが、これからは発奮して生き方を刷新して国家のためになることをやろうと思うようになった。このようにしてわたしは自分の人生の方向性を占筮して乾為天の二爻を得た。
卦辞・彖辞に「九(きゆう)二(じ)。見(けん)龍(りゆう)田(でん)に在り、大(たい)人(じん)を見るに利(よろ)し」とある。大体においてこの世に生まれて、幼い頃から学問を修めて己を磨き功績を残すのは古今の常識である。すなわち、学問の常道は大人(立派な人物)を師匠と仰いで厳しく指導して頂くより他に才能や智恵を磨いて、あらゆる事変に対処することである。それ以外に方法はない。
且つ学問は書(主に古典)を読んで文章の意味を理解し、人にその内容を講義できるようになるだけではない。いわゆる讀書してその内容を講ずることは学問の入り口であり、その入り口から階段を上って智恵を習得して実践に応用する段階に至るのである。これが本当の学問である。

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