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明治十九年出版 高島易断 現代語訳(一部掲載)

卦辞・彖辞の「乾は元いに亨りて」または彖伝の「大いなるかな乾元」の乾元とは、乾☰の大元であり、その元とは太極(宇宙の根源である命の泉のパワー)から受け取った活きた魂のことを言う。この活きた魂は一つの精氣(命の泉のパワー)であり、萬物はこの精気の資(種)から始まった。すなわち元は万物の父である。乾☰と坤☷の六人の子どもである兌離震巽坎艮は大地の上に存在する萬物として、乾☰の大元である太極のパワーによって始まらなかったものは何一つないのである。これを「彖伝に万物資りて始む/万物は乾元の種から始まる」と言う。 乾☰元(大元)はあらゆる事象が始まる第一歩目である。繋辞上伝第四章に「精気は物を為し/宇宙の根源である命の泉のパワーからあらゆる物が産まれる」と言い、繋辞下伝第五章に「天地姻蘊して万物化醇す。男女精を構せて万物化生す/天地陰陽の気が相交わって万物が形を成していく。男女陰陽が相交わって万物が産まれ出る」と言う。 この乾元は乾☰の大元である太極のパワーであり、あらゆる物事はこのパワーによって始まる。坤元(☷の大元)は乾☰の大元である太極のパワーを受けてあらゆる物事を形あるものとして産み出す力である。「大いなるかな乾元、萬物資りて始む」とは、乾元(乾☰の大元)のパワーと坤元(☷の大元)の働きによって万物が産まれ出ることを説いている。以上のように万物が産み出されるのは乾元(乾☰の大元)の太極のパワー(陽の種を発すること)によって始まる。太極のパワーによって始まる万物は全く余すところがない(完璧な)のである。 天が万物を統べ(統一し)ている。このことを「萬物資りて始む。乃ち天を統ぶ/萬物が産み出されるのは乾元(乾☰の大元)の太極のパワー(陽が発する種の力)によって始まる。すなわち天(陽氣)が萬物を統べ(統一し)ている」と言うのである。

白倉信司. 明治十九年出版 高島易斷 卷第一 現代語訳 (pp.27-28). Kindle 版.

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