占筮中至誠の心が極まった時が神仏と感通できる時である。感通は電気が身体中に行き渡るようで言葉に表すことはできない。神仏と心が通じたと感じた瞬間、間髪を容れずに筮竹を二分することが肝要である。思うに神仏との感通については口(言葉)で説明することは難しく、また、文章にすることも難しい。師弟が面談しても教えることは難しいのである。感通するためには占う人が自ら修練して(精神を鍛えて)神仏と感通する絶妙な境地に達してほしい。例えれば禅僧の以心伝心(心から心に伝える)・不立文字(文字では伝えきれない)のような境地である。 すでに二つに分けた筮竹は天地陰陽の両義に象る。右手で握っている筮竹を机の上に置いて(天地人の地とし)、その中から一本取りだして左の手の小指と薬指の間に挟み(天地人の人とし、左に握ったままの筮竹を天地人の天とする)、次に右手で左手に握っている筮竹の数を数える。数え方は二本ずつを四回(春夏秋冬と念じながら)で八本となるのでその八本を抜き、それを繰り返して小指に挟んだ一本を加えて一本から八本が残るまで抜いていく。残った数を数えて 一本残れば乾☰の卦なり 二本残れば兌☱の卦なり 三本残れば離☲の卦なり 四本残れば震☳の卦なり 五本残れば巽☴の卦なり 六本残れば坎☵の卦なり 七本残れば艮☶の卦なり 八本満数は坤☷の卦なり 八卦を自然に配当すれば天澤火雷風水山地の八象なり。 このようにして一回目に残った数で得た八卦を内卦(下卦)と称して(算木を)下に置き、二回目で残った数で得た八卦を外卦(上卦)と称して(算木を)上に置き、合わせて六爻の卦を成すのである。
白倉信司. 明治十九年出版 高島易斷 卷第一 現代語訳 (pp.20-21). Kindle 版.
