坤(為地)☷☷
卦辞
坤の道は自ら成就しない。自ら貞を保つことを得ない。陽に從がうから貞を保つことができる。雌(めす)馬(うま)が雄(おす)馬(うま)に從ふのと同じである。(八卦坤の方角である)西南は陰の位地、即ち雌(めす)馬(うま)の意味がある。「君子往(ゆ)く攸(ところ)有り」の「往(ゆ)く」は「行う」こと。行って陽に從うことである。「先んずれば迷い」の「先」は唱(読み上げること)である。「後(おく)るれば主を得(う)」の「後」は隨うことである。「利の主」とは陽は斷制(物事を判断して決定すること)なので、義を主とするし、陰は収(しゆう)斂(れん)(一つにまとまること)なので、利を主とする。これは陰陽の性質の違いである。(八卦艮の方角である)東北は陽の位地である。陰が進んで行き陽に辿り着くと偶数が変じて奇数となる。それゆえ、陰の朋友を喪うことになる。朋友を喪えば陰の分を超えて先を争うようになる。それゆえ迷う。坤(陰)の分を守って先んずることなく後れて人に随い、先立って主張しなければ安寧で正しくして吉運の慶びを得ることができる。坤が厚く重い名前なのは、順の性質の所以である。坤の「利貞」は乾と同じではない。けれども、「元亨」が同じなのは何故だろうか。「元」は大本だから一つしかない。「亨」は「元」の「氣」が滞りなく円滑に通ることである。春夏の間、天地は交わり滞りなく円滑に通り、陰陽の二氣が結合する。それゆえ、乾坤一つになる。「利貞」は生まれつきの性質や心情である。秋冬の間、天地は自らの働きを表に現さずにそれぞれを正しく保ち合う。則ち天は氣が昇っていき、地は氣が降っていく。それゆえ、「利貞」は同じではない。
