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天命に生きる 実語教 童子教 の教え(一部掲載)

 父母は天地の如く、師(し)君(くん)は日(じつ)月(げつ)の如し。
 親族はたとえば葦(あし)の如し。夫妻はなお瓦の如し。
 父母には朝(ちよう)夕(せき)に孝(こう)せよ。師君には昼(ちゆう)夜(や)に仕(つか)えよ。

 天地陰陽交わり萬物が生成発展している。父母は天地のような存在である(父母は天地の如く)、日(じつ)月(げつ)(太陽や月)が萬物を普く照らし育んでいるように先生(師匠)や指導者(トップリーダー)は日(じつ)月(げつ)のような存在である(師君は日月の如し)。
 親族は葦のように沢山連なってお互い助け合っている(親族はたとえば葦の如し)。夫婦は瓦のようにお互い対になって支え合っている(夫妻はなお瓦の如し)。
 天地のような父母には常に孝行すべきである(父母には朝夕に孝せよ)。日(にち)月(げつ)のような先生や指導者は常に尊崇して従うべきである(師君には昼夜に仕えよ)。


嘗(かつ)ての日本人は「天命に生きる」人生を歩んでいた。「実語教」や「童子教」など、古くから伝わる日本の教えを學んだからである。今の日本人は古くから伝わる日本の教えを學ばなくなってしまった。そろそろ、日本の教えを取り戻さないと、日本が日本でなくなってしまう。そんな思いで本書を書いた。

実語教では「天命」のことを「天地」といい、それは「父母」と「孝」、あるいは「師君」と「仕」の相互作用で成り立つ。そのことを「父母は天地の如く、師君は日月の如し。(中略)父母には朝夕に孝せよ。師君には昼夜に仕えよ」と書いてある。

童子教では「天命」のことを「仏」といい、それは「仏道を求む」と「仏道を成ず」の相互作用で成り立つ。そのことを「(前略)花を折って仏に供する輩(ともがら)は 速やかに蓮(れん)台(だい)の趺(はなぶさ)を結ぶ。上は須(すべから)く仏道を求むべし 中(なか)ばは四(し)恩(おん)を報ずべし。下(しも)は徧(あまね)く六(ろく)道(どう)に及ぶ 共に仏道を成(じよう)ずべし」と書いてある。

実語教と童子教が普及したのは、江戸時代に寺子屋のテキストとして用いられたからである。実語教は平安時代の終わり頃に成立したと言われ、明治時代になっても読まれていたという。何と千年近く子供たちのテキストとして読まれ続けてきたのだ。童子教は鎌倉時代の終わり頃に成立したと言われている。いずれにしても、長い期間にわたって子供たちは「実語教」と「童子教」を読んで人格を形成した。

今の「自分のために生きる」日本人に、是非、「実語教」と「童子教」を読んでいただき、「天命を生きる」人生を歩んでほしいと思う。

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