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これ以上わかりやすくできない易経入門の解説(一部掲載)25&26

二十五.天雷无妄 ☰ ☳ 天地の道が人の道を翻弄する時

□无(む)妄(ぼう)は、元(おおい)に亨(とお)る。貞(ただ)しきに利(よろ)し。其(そ)れ正しきに匪(あら)ざれば、眚(わざわい)有り。往(ゆ)く攸(ところ)有るに利(よろ)しからず。 无(む)妄(ぼう)は至誠にして私心なく天の道に則って動くから、何事もすらすらと通る。
◎象に曰く、天の下(した)に雷(かみなり)行(ゆ)き、物(もの)與(みな)无(む)妄(ぼう)なり。先(せん)王(おう)以て茂(つと)めて時に對(たい)して、萬(ばん)物(ぶつ)を育す。
 ☆あらゆる事が思った通りにはいかない時。何事にも恭(うやうや)しく柔順に振る舞うしかない。
○初九。无(む)妄(ぼう)なり。往(ゆ)きて吉(きつ)。
 ☆ひたすら至誠の心を抱いて天の道に順えば吉運を招く。至誠の心を大事にすべき時。
○六二。耕(こう)獲(かく)せず。菑(し)畬(よ)せず。則(すなわ)ち往(ゆ)く攸(ところ)有るに利(よろ)し。
 ☆私利私欲がないから何事も想定以上に順調に事が運ぶ。無我の境地が為せる技である。
○六三。无(む)妄(ぼう)の災(わざわい)なり。或(ある)いは之(これ)が牛を繋(つな)ぐ。行(こう)人(じん)の得(え)るは、邑(ゆう)人(じん)の災(わざわい)なり。
 ☆何の罪もないの大きな災難に巻き込まれる。理不尽だが天の道とはそういうものである。

二十六.山天大畜 ☶ ☰ 君子が力を蓄え世に役立つ時

□大畜は貞(ただ)しきに利(よろ)し。家(か)食(しよく)せず。吉。大(たい)川(せん)を渉(わた)るに利(よろ)し。
 自分の家に引き籠もらず(己のために図らず)、勇敢に社会に出て、世のため人のため、お国のために尽くせば、天下の艱難を救済することもできる。
◎象に曰く、天、山の中に在(あ)るは大畜なり。君子以(もつ)て多く前(ぜん)言(げん)往(おう)行(こう)を識(しる)して、以て其(そ)の德を畜(たくわ)う。 ☆山の中に天があるように人徳を養って積み上げれば大きく成長する。古(いにしえ)の賢者の言行を学んで体現し、立派な人になれば必ず吉運を招き寄せる。
○初九。厲(あやう)き有り。已(や)むに利(よろ)し。
 ☆経験の裏打ちがない時は決して進んではならない。無理して進めば必ず妨害される。
○九二。輿(くるま)、輹(とこしばり)を説(と)く。
 ☆今は修養を積み上げる時と認識して、進むことをやめ立ち止まって人徳を養い蓄(たくわ)える。
○九三。良(りよう)馬(ば)逐(お)う。艱(かん)貞(てい)に利(よろ)し。曰(ここ)に〔日々に〕輿(しや)衞(えい)を閑(なら)う。往(ゆ)く攸(ところ)有るに利(よろ)し。
 ☆大きな志を抱いて困難に立ち向かえば、終には抜擢されて大きな希望を成就できる。