二十七.山雷頤 ☶ ☳ 空っぽな頭とおなかを養う時
□頤(い)は、貞(てい)にして吉。頤(い)を覿(み)、自ら口(こう)實(じつ)を求む。
自分の身心や民衆を養う時。正しい道を固く守り、今、何を養うべきかをよくよく考える。
◎象に曰く、山の下に雷(かみなり)有るは頤なり。君子以て言語を愼(つつし)み、飲食を節す。
☆自分の身心を養う時は、口から入る食べ物を節制し、口から出る言葉を慎むがよい。
○初九。爾(なんじ)の靈(れい)龜(き)を舍(す)て、我(われ)を覿(m)て頤(おとがい)を朶(た)る。凶。
☆社会や組織の下層に居て欲を出して贅沢三昧を堪能しようとするので、自ら禍(わざわい)を招く。
○六二。顚(さかしま)に頤(やしな)わる。經(つね)に拂(もと)る。丘(おか)に于(おい)て頤(やしな)われんとし、往(ゆ)けば凶。
☆自分を養うことができないので下の人(初九)に養ってもらう。まんざら悪くもない。
○六三。頤(い)に拂(もと)る。貞(てい)なれど凶。十年用(もち)ふる勿(なか)れ。利(よろ)しき攸(ところ)无(な)し。
☆自分を養う力もないのに妄動するので、誰からも相手にされない。よいことは何もない。
二十八.澤風大過 ☱ ☴ 虚弱な建物が倒壊しそうな時
□大(たい)過(か)は、棟(むなぎ)橈(たわ)む。往(ゆ)く攸(ところ)有るに利(よろ)し。亨(とお)る。
大(たい)過(か)は上下が二陰、真ん中が四陽ゆえ、棟(むな)木(ぎ)が撓(たわ)んで建物(組織)が倒(とう)壊(かい)する危機にある。
◎象に曰く、澤(さわ)木を滅(めつ)するは、大過なり。君子以て獨(どく)立(りつ)して懼(おそ)れず、世を遯(のが)れて悶(もだ)ゆる无(な)し。
☆「船頭多くして船山に上る」ような時。心身ともに安定しないので後悔することもある。
○初六。藉(し)くに白(はく)茅(ぼう)を用(もち)う。咎(とが)无(な)し。
☆大事を成そうとする人は天地・神仏を厚くお祭りしてご加護を得るべく常に恭しくあれ。
○九二。枯(こ)楊(よう)稊(ひこばえ)を生(しよう)ず。老(ろう)夫(ふ)、其(そ)の女(じよ)妻(さい)を得(う)。利(よろ)しからざる无(な)し。
☆初六の協力を得て衰えている組織を再生すべく子宝を得て人間関係を良好にしていく。
○九三。棟(むなぎ)橈(たわ)む。凶。
☆剛健な性質で天下の豪(ごう)傑(けつ)と自負し諫(かん)言(げん)や忠告を受け容れずに猛進し周りに迷惑をかける。
