九四 ―‥― ‥‥― (火雷噬嗑) 之卦 二七山雷頤
九四。噬乾胏、得金矢。利艱貞。吉。
○九四。乾(かん)胏(し)を噬(か)み、金(きん)矢(し)を得(う)。艱(かん)貞(てい)に利(よろ)し。吉。
九四は陽爻陰位、優れた才德と柔和な性格を兼ね備え、刑罰を執行する(九四だけは陽爻なのに悪人に刑罰を執行する役割を担っている)道を得た大臣(六五の側近)。
噬(ぜい)嗑(こう)の時も半(なか)ばを過ぎ、凶悪犯の刑罰を執行する役割を担う。噛み切り難(がた)い骨付き乾し肉のような凶悪犯を取り調べたところ、金の矢尻を噛み当てるように、剛柔兼ね備えた德で凶悪犯を信服させる。凶悪犯の刑罰を執行する困難さを自覚し、険難に耐えて、正しい道を固く守るが宜しい。大臣(六五の側近)としての職責を全うできる。
象曰、利艱貞、吉、未光也。
○象に曰く、艱(かん)貞(てい)に利(よろ)し、吉とは、未(いま)だ光(おお)いならざる也。
小象伝は次のように言っている。九四が険難に耐えて、凶悪犯の刑罰を執行する正しい道を固く守れば大臣(六五の側近)としての職責を全うできる。
九四は刑罰を執行する道を得た大臣(六五の側近)だが、陽爻陰位の不中正なので、その德は未(いま)だ広大と言うには及ばないのである。
【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇自分の行いは、全て自分が決める時。至誠の心を有する男子ならば、確乎不抜の志を打ち立てる時。「思い立つ志さえ弛まなければ、龍をも倒すことができる」という歌がある。見習うべきである。
○上下よく噛み合う時。よく勉強すれば、功業必ず成し遂げられる。
○故障していた物事が解消する時。 ○スパッと裁断する時である。
以下省略。次の書籍をご覧ください。