九四 ‥‥― ‥‥‥ (雷地豫) 之卦 二坤爲地
九四。由豫。大有得。勿疑。朋盍簪。
○九四。由(ゆう)豫(よ)す。大いに得る有り。疑(うたが)う勿(なか)れ。朋(とも)盍(あ)い簪(あつ)まる。
九四は才德を具えた豫(よ)楽(らく)の主(あるじ)である。衆(しゆう)陰(いん)を率(ひき)いて天下を治めるので、上下萬(ばん)民(みん)大いに豫楽を得る。六五の天子・トップの補佐役・側近として、嫉妬と疑惑が蠢(うごめ)く厲(あやう)い地位に在るが、決して人を疑ってはならぬ。
至誠を尽くせば同志が集い、豫(よ)楽(らく)の時を助け合う。至誠を失えば…
象曰、由豫、大有得、志大行也。
○象に曰く、由(ゆう)豫(よ)す、大いに得る有りとは、志大いに行われる也(なり)。
小象伝は次のように言っている。九四が衆陰を率(ひき)いて天下を治めるので、上下萬(ばん)民(みん)大いに豫(よ)楽(らく)を得るのは、天下を治めて豫楽を施(ほどこ)そうとする九四の志が成し遂げられた(至誠を尽くした)からである。至誠を失えば…
【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇陽剛の才能を具えて、柔順で中庸の徳を具えた君主に仕え、大勢の民衆から信望を得ている。周りから嫉(ねた)まれて危険な地位に居る。名誉や権力を手に入れようとするような野心がなく、大衆に楽しい社会を享受してもらいたいという志を持っていれば、周りの人々から嫌われない。占ってこの爻が出たら、己の利益のために、大事業を成し遂げようとしてはならない。
○時の人として、あらゆる負担を担う時でもある。
○長年の苦労が報われて、大いに喜びを得られる時である。
○周りの人々(親戚や朋友)とよく交流して、何か事を為そうとした時に、信望を得て応援を受けられる時である。
○地位の高い人(上位の人)や部下・お客様(下位の人)から支援されて、事に臨む時である。
以下省略。次の書籍をご覧ください。