毎日連載! 易経や易占いに関する情報を毎日アップしています。

人生に役立つ易経 地風升

 易経の六四類型の物語には、盛運の時がいくつかある。わたしの主観で盛運の時を挙げると次のようになる。
 「一乾為天☰☰、八水地比☵☷、十一地天泰☷☰、十四火天大有☲☰、十九地澤臨☷☱、二六山天大畜☶☰、三四雷天大壮☳☰、三五火地晋☲☷、三七風火家人、四二風雷益、四五澤地萃☱☷、四六地風升☷☴、四八水風井☵☴」。以上十三の物語(六四分の十三=二十%)が盛運の時である。
 その中でも、盛運中の盛運の時をわたしの主観で挙げると「一乾為天☰☰、十四火天大有☲☰、十九地澤臨☷☱、三七風火家人☴☲、四六地風升☷☴」の五つ(六四分の五=八%弱)である。
 以上のように考えてみると、やはり、地風升は良い時である。卦象で見ると、下卦巽の性質により物事が風のように巽順に進んで行く。上卦坤はそれを柔順に受け容れる。

 以上が地風升の概要である。
 ここから先は原文(漢文と書き下し文)を示した上で、初心者でも理解できるように意訳していく。

升、元亨。用見大人。勿恤。南征吉。
○升(しよう)は、元(おおい)に亨る。用て大人を見る。恤(うれ)ふる勿(なか)れ。南征して吉。
 地風升は下卦巽の木(陰陽五行)が上卦坤の大地の中から、芽吹き成長して升り進む卦象から物事がドンドン升り進む盛運の時である。
 その上、「時機(巽の木が坤の地から養分を得て升る時)」と「道德(巽順と柔順)」と「応援(六五と九二が正しく応じている)」の三德が揃っているので、何事もすらすら通る。
 柔順にして中庸の德を具えている六五(トップ)と剛健にして中庸の德を具えている九二の大人(歴史に残る偉人)は、巽(そん)順(じゆん)と柔順の德を以て相(あい)見(まみ)え(面会す)るので、何も心配することはない。
 共に下卦巽(東南)から離(南)を経て上卦坤(西南)に進み行けば幸運を招き寄せる。或いは共に離(文王八卦で南の方角)の明るい方面に進み行けば幸運を招き寄せる。以下省略。