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抜粋「現代語訳(超意訳) 呑象高島嘉右衛門著 増補 高島易斷 上下巻 占例篇」 天風姤 二

2022年8月6日

姤 九三 ||| ||・

九三。臀无膚。其行次且。厲无大咎。
□九三。臀(とん)に膚(ふ)无(な)し。其(そ)の行くこと次(し)且(しよ)たり。厲(あやう)けれども大いなる咎(とが)无(な)し。
 初六と出遇うことを欲するが、初六は九二と親しんでいるので、お尻の皮膚が擦りむけたように落ち着いて座っていられない。進みたいけれどもぐずぐずしている。危険な状態に陥っているが、大きな過失には至らない。
象曰、其行次且、行未牽也。
□其の行くこと次(し)且(しよ)たりとは、行くこと未(いま)だ牽(ひ)かれざる也。
 ぐずぐずしている。道に反して進もうとするほど、初六に魅惑されていないのである。

 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占いの見立ての原文の一部。
(占)望事叶ハザルノ時トス、然レドモ其叶ハザル者、却テ其身ノ幸福ニシテ、大ナル迷惑ヲ受ケザルナリ、故ニ望事叶ハザレバトテ、決シテ之ヲ憂ヒズ、・・・
 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占いの見立ての現代語訳。
(占)希望や願い事は叶わないが、叶わないことが幸運を招き寄せる。叶えば逆に災難を招き寄せる。それゆえ、希望や願い事が叶わないことを嘆いてはならない。自分の持ち場を守って慎むことを忘れてはならない。あれこれ心を動かしてはならない。
○嫉妬心から訴訟を起こしかねない時である。
○隠れ潜んでいた(隠していた)罪や悪事が発覚する時である。
○じっとしていても安心できず、行こうとしても進めない時である。

 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占例の原文の一部。
(占例)或人來リテ、事ノ成否占ハンコトヲ請フ、乃チ筮シテ、姤ノ第三爻ヲ得タリ、
 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占例の現代語訳。
(占例)ある人がやって来て、ある事業の成否を占ってほしいと頼まれたので、筮したところ姤の三爻を得た。
 易斷は次のような判断であった。
 姤は予期せずして突然の出来事に遭遇する時である。それゆえ、貴方(ある人)は、意外な出来事に遭遇する。
 今回占って三爻を得たので、貴方は、貴方の想像を超える利益が得られる商売の情報を得る。貴方はチャンスだと思って、この商売に取り組むが、利益を得ようと焦って、心が不安定になる。このことを「臀(とん)に膚(ふ)无(な)し。初六と出遇うことを欲するが、初六は九二と親しんでいるので、お尻の皮膚が擦りむけたように、落ち着いて座っていられない」と云う。
お尻に肉がないので痛くて坐っていられない。すなわち、貴方は仕事が手に着かない。今やるべきことをやらずに、先延ばしする。このことを「其の行くこと次(し)且(しよ)たり。進みたいけれどもぐずぐずしている」と云う。
 その商売は他の人が引き受けることになる。貴方がどんなに苦労しても利益を得ることはできない。このことを「厲(あやう)けれども大いなる咎(とが)无(な)し。危険な状態に陥っているが、大きな過失には至らない」と云う。
 喩えれば、空を飛んでいる雁(かり)を見て、鍋に火を付けて待っているように、当てが外れると易断した。
(易占の結果は書いてない。)