六五、黄裳、元吉。
○六(りく)五(ご)、黄(こう)裳(しよう)、元(げん)吉(きつ)なり。
象曰、黄裳元吉、文在中也。
○象に曰く、黄(こう)裳(しよう)元(げん)吉(きつ)とは、文(ぶん)中(ちゆう)に在(あ)れば也。
坤為地は陽爻が一つもないので國家に当て嵌めれば君主が不在の形である。けれども五爻は君主の位である。今六五は柔德を具えて君主の位(尊位)に居る。これは皇后が(君主として)南面して(臣下から)政治に対する要望を聴取している形である。思うに六五は中庸にして柔順の德が内に満ちており、調和と柔和の色が外に溢れている。それゆえ小象伝に「文(ぶん)中(ちゆう)に在(あ)れば也」と言うのである。
【占】六五が出たら中庸にして柔順温和で功があっても誇ろうとしない。恭しく謙り篤実な性格なので権力を保有していても驕り高ぶらない。よく自分の本分を知り役割を守るので後に大吉を招き寄せるのである。けれども、凡庸な人が占ってこの卦爻が出たら、ある人は臣下なのに君主を凌ごうとするし、ある人は妻なのに夫を先導しようとし、子どもなのに親を侮(あなど)るなど多くの人は自分の本分を忘れ易いのである。慎まなければならない。
