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しらす神々 その十五

皇子の派遣

「あま」の神は、「おおくに」の神との交渉を、楽園を譲り受けることになる「ほのみみ」の神にやらせることにした。そこで、「おおくに」の神から楽園を譲り受ける理由を細かく説明して、「ほのみみ」の神を楽園に派遣することにした。
ところが、「ほのみみ」の神は、極端に人見知りするところがある。「あま」の神から交渉を命じられた「ほのみみ」の神が、天上からそっと楽園を覗いてみたところ、沢山の人々が暮らしていた。「ほのみみ」の神は、こんなに多くの人たちが暮らしている楽園に行って、「おおくに」の神と交渉することなど自分にはできないと、「あま」の神に泣きついてきた。
困った「あま」の神は思案して、「ほのみみ」の神の次に「勾玉」から産まれてきた「ほひ」の神を派遣することにした。「ほのみみ」の神とは違って、「ほひ」の神は社交的な性格なので適任だと考えたのである。
「ほひ」の神は喜んで楽園に降りていき、「おおくに」の神と交渉した。「おおくに」の神は「ほひ」の神の叔母にあたる「あま」の神の御子(父「すさ」の神の姉が「あま」の神だから、「あま」の神は叔母、その皇子「ほひ」の神は「おおくに」の神の従兄弟)が天上から降りてきてくれたことを大変喜んで、お米を中心に楽園で採れるありとあらゆるご馳走と御神酒を用意して、「ほひ」の神を連日もてなした。
「ほひ」の神は連日もてなされて、ご馳走と御神酒をたらふく召し上がって上機嫌になり、楽しさのあまり、交渉のことなどすっかり忘れてしまった。
天上で「ほひ」の神の報告を待っていた「あま」の神は、「ほひ」の神を心から信頼していたので、なかなか戻ってこなくても、何も心配せず、悠然と「ほひ」の神が戻ってくるのを待ち続けた。
ところが、「ほひ」の神は、一年経っても、三年経っても、五年経っても、十年経っても戻ってこない。そこで、天上からこっそり楽園の様子を覗いてみたところ、「ほひ」の神は
楽園で連日もてなされ続けて、すっかり楽園に馴染んでしまっている。
この様子では、いつまで待っていても、「ほひ」の神は戻ってこないと覚った「あま」の神は、さて、どうしたものかと思案した。以下省略。