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八卦の性質と意味

2023年3月5日

【艮(☶)】

 艮は「山」である。山はどっしりとして微動だにしない。それゆえ艮には「止まる」という性質がある。艮の山は高く聳え立っている。それゆえ、艮を高層ビルや鳥居に見立てることもある。
 易占の神様・高島嘉右衛門は、「高島周易講釈(八幡書店)」に次のように書いている(現代語に意訳した)。
「艮は山である。止まって動かないのは山の性質である。山は地下の火力によって大地が突出して高く地上に聳え立ち、どっしりとして動かない。艮は一陽が二陰の上に在る。これ以上上に進むことはできないから、どっしろと止まっている。人に当て嵌めると、己の見識を確立して微動だにしない形である。」
 そして、艮が具えている意味や性質を次のように整理している。(一部、著者が理解できない概念は省略した)
「山、止まる、篤實、少男、手、東北方面、冬と春の間、甘味、黄色、怠け者、宮城、犬、始終、敬する、石、高く大きな山」
「(初爻)童(どう)僕(ぼく)(召使いの少年)、閑(ひま)、従者、僅か、陳腐、貯え、偏屈、隔意(打ち解けない気持)、止められる」
「(二爻)守る、小心、謙遜、操られる、保守、維持、約束、静か、無事、止められる、質(しつ)朴(ぼく)(純真・素直)、次(つぎ)」
「(三爻)止められる、頑固、背、家、取る、防御、世情に通じない、疎外、蓄え、手心、採用、掌握、傲り高ぶる、我意、高尚、厳格、楼閣、権限、根性、孤立、荘厳、謝絶、渋滞」
 黒岩重人著「易を読むために 易学基礎講座」(藤原書店)及び鹿島秀峰著「現代易占詳解」(神宮館)を参考にして、「艮(☶)」の象意を整理すると次のようになる。
 一陽が二陰の上にある艮は、山や鳥居の形をしている。 以下省略

【坤(☷)】

 坤は「地(大地)」である。大地は上に何でも載せるから柔順である。柔順だからあらゆる物事を受け容れる。あらゆる物事を受け容れるから雌馬のように主人に順う。
 易占の神様・高島嘉右衛門は、「高島周易講釈(八幡書店)」に次のように書いている(現代語に意訳した)。
「坤は地である。天のエネルギー(氣)を受け容れて万物を生成化育することが坤の造化の作用である。」
 そして、坤が具えている意味や性質を次のように整理している。(一部、著者が理解できない概念は省略した)
「地、地球、至る、生きる、厚い、載せる、含む、雌馬、迷う、常、柔らかい、庶民、臣下、妻、母、凡庸、小人、腹、西南、甘味、胃腸、夏と秋の間、大衆、平凡、吝(りん)嗇(しよく)、惜しむ、車、文章、平均、貯蓄、暗愚、収(しゆう)斂(れん)(収縮)、蔵(かく)す、鞄、受(承)ける、使役する、服從、共同、省略、労働、乱雑、厚顔、易簡、図、器、能力、法、変化、黄色」
「(初爻)卑賤、奴隷、不善、馴れる、邪」
「(二爻)抱く、慈善、方正」
「(三爻)疑う、成すこと无し」 以下省略