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易経 繋辞下伝を読み解く 第七章 二

益長裕而不設。困窮而通。井居其所而遷。巽稱而隱。
○益は長く裕(ゆた)かにして設けず。困は窮まりて通ず。井は其の所に居りて遷る。巽は称(はか)りて隠る。
 風雷益の物語は、「上を減らして下を益する時」である。「君子は人の善いところを見ては速やかに学び、自分に過ちがあれば速やかに改める」ことを説いているのである。
 澤水困の物語は、「澤(兌)から水(坎)が溢れ出て乾涸らびた状態の時」である。「君子は生死を超越して天命(志)を成し遂げる」ことを説いているのである。
 水風井の物語は、「井戸を井戸として用いて、その恩澤に与る時」である。「遷都で村人が移転しても井戸は残る」ことを説いているのである。
 巽爲風の物語は、「柔順に人に謙り従う時」である。「巽順にして巽順、風のように隅々まで行き渡る」ことを説いているのである。

履以和行。謙以制禮。復以自知。恆以一德。損以遠害。
○履以て行いを和し、謙以て礼を制し、復以て自ら知り、恒以て徳を一にし、損以て害に遠ざかり
 天澤履の物語は、和悦の心で剛健に履み随うと云う禮の德を用いて、虎の尾を履む難局を和合し調和させたのである。
 地山謙の物語は、富有になっても決して驕り高ぶらず人に謙ると云う謙遜の德を用いて、君子が終りを全うする禮を制度化したのである。
 地雷復の物語は、君子が小人に剝(はく)尽(じん)されたことを反省し、自ら伸び栄える道を知ったのである。
 雷風恆の物語は、天地の定めは常に久しく通ることを教えることによって、道德が持続することの全きを示したのである。
 山澤損の物語は、下(内)を減らして上(外)を増やすことによって、己を減らして害を遠ざけたのである。

益以興利。困以寡怨。井以辯義。巽以行權。
○益以て利を興し、困以て怨みを寡(すくな)くし、井以て義を弁じ、巽以て権を行う。
 風雷益の物語は、上を減らして下を益することによって、民の喜び(利)が限りない(興)ことを示したのである。
 澤水困の物語は、君子は険阻艱難に処するに、泰然と自得すべきことを教えることによって、天を怨むことなく、人を咎めることなく、生死を超越して天命を成し遂げることの大切さを示したのである。
 水風井の物語は、井戸は人や物を養うこと窮まりなく、遷都で村人が移動しても井戸水の源泉は残ることを教えることによって、物事の本質を見極めることの大切さを示したのである。
 巽爲風は、柔順に人に謙ることを教えることによって、時に適合する対処法を打ち立てて実行することの大切さを示したのである。