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天命に生きる日本の教え 渡辺京二著「逝きし世の面影」に学ぶ

Ⅶ 第四章 親和と礼節

一八六六(慶応二)年十月、書記官として英国公使館に赴任したミットフォードは、横なぐりの雨の吹きつける横浜に上陸して深い失望を味わった(ある英国外交官の明治維新 中央公論新社・一九八六年)。
彼はオリファントの訪日記(エルギン卿遣日使節録)を読んでいて、「数々の魅惑的な美しさが語られてきたあのおとぎの国」を見ることができるものと期待していたのだが、税関らしい建物の前は水びたしで、その前に立つ役人たちはみな不機嫌な顔つきをし、蓑をかぶった人夫たちときたら「まるで家畜の飼料の干草の山」のよう、高下駄をはいた女が水をはね散らしながら通ったが、背中に負われた幼児はひどい皮膚病にかかっていた。「まったく、憂鬱な第一印象であった」。(P146)
彼が江戸に魅力を感じ、日本人に好感を抱き始めるのは六十七年に入ってからで、晩年に書かれた『回想録』は、みごとにバラ色の日本追想で彩られることになる。
(P146~147)

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