上九。撃蒙。不利爲寇。利禦寇。
○上九。蒙を撃(う)つ。寇(あだ)を爲(な)すに利しからず。寇(あだ)を禦(ふせ)ぐに利し。
象曰、利用禦寇、上下順也。
○象に曰く、用て寇を禦ぐに利しとは、上下順なれば也。
この爻(上九)は蒙昧な者を教え導く先生だが、蒙昧な者を包容する力がない。厳しく叱責して相手を追い詰めてしまうところがある。だから、蒙昧な者を教え導くための学識はあるが、人を教え導く真心がない。先生だが蒙昧な者である。
それゆえ、九二と同じく蒙昧さを啓く役割を担っているけれども、陽剛陰位(剛毅だが志が弱い)で卦の極点(一番上)におり、中庸の徳を具えていない。蒙昧さを啓く役割を担っていながら厳しく叱責して相手を追い詰める。九二のように適切に教え導くことができない。そもそも蒙昧な人を教え導き、責めたり、改めさせたりするのは、その人を正しい道に戻すためである。
