毎日連載! 易経や易占いに関する情報を毎日アップしています。

明治十九年出版 高島易断 現代語訳(一部掲載)

2026年6月26日

坤為地の厚い徳は限りなく、乾為天によって始まった物事は全て坤為地の働きにより形有るモノとして生まれ出て、坤為地の厚い徳に包容されないモノはなく、現れないモノはない。このことを「含(がん)弘(こう)光(こう)大(だい)にして、品(ひん)物(ぶつ)咸(ことごと)く亨(とお)る」と言う。すなわち、坤の道が亨通した(通じた)のである。坤為地の「含(がん)弘(こう)光(こう)大(だい)」は、乾為天の「雲行き雨施(ほどこ)して」と対になっており、「品(ひん)物(ぶつ)咸(ことごと)く亨(とお)る」は「品(ひん)物(ぶつ)形を流(し)く」と対になっている。これを人事に敷衍すれば「含(がん)弘(こう)光(こう)大(だい)」の四つの徳を体現して世の中に対処すれば、あらゆる事を成し遂げることができる。それゆえ卦辞・彖辞に「坤は、元(おお)いに亨(とお)る」と言う。「牝馬は地の類、地を行くこと无(む)疆(きよう)なり。柔順利貞、君子の行う攸(ところ)なり」とは坤の道の利貞を明らかにしたのである。馬は本来は乾の象である(説卦伝に「乾は馬と為す」と書いてある)。彖伝に「地の類い」とあるのは龍は天に飛翔するものに対して、馬は大地を疾駆するものだからである。雌馬は陰の存在である。柔順に道を行く。何処まで行っても倦まないのが坤の性質であり、乾の龍に対応している。雌馬は柔順にして健やかに進んで行くが、坤の徳は先んじて行かないことである。必ず乾天の命の泉のようなパワーを承けて乾天が描いた萬物を生み出すのである。人間の在り方としては温和であり、人に先んじることなく柔順である自分の役割を全うして怠らない。これが坤の道における「利貞」であると心得ている。

Hikosachi LogoHikosachi 防御中