五十三.風山漸 ☴ ☶ 物事が漸次に成長していく時
□漸(ぜん)は、女(じよ)歸(とつ)ぎて吉。貞しきに利し。
漸次に(少しずつ)進んで行く時。漸次に着実に前進する。それゆえ幸運を招き寄せる。
◎象に曰く、山の上に木有るは漸なり。君子以て賢德に居(お)り俗(ぞく)を善(よ)くす。
☆道德を習得して己の人間性を磨き、少しずつ民衆を教え導いて、風俗や風習を善くする。
○初六。鴻(こう)、干(みぎわ)に漸(すす)む。小子は厲し。言有れども咎无し。
☆若輩者ゆえ安んじて漸進することができない。周りから色々言われるが問題は生じない。
○六二。鴻(こう)、磐(おおいし)に漸(すす)む。飲食、衎(かん)衎(かん)たり。吉。
☆徐々に(漸次に)盛運に向かって行く。やるべき事をやったので和らぎ楽しみ吉を招く。
○九三。鴻(こう)、陸(くが)に漸(すす)む。夫(おつと)征(ゆ)きて復(かえ)らず。婦(つま)孕(はら)みて育(いく)せず。凶。寇(あだ)を禦(ふせ)ぐに利し。
☆上の人と不義に交わり堕落して何をやっても失敗する。持ち場を大事にするべきである。
易経は本当に面白い。しかし、「易経は難しい」という印象で読まない人が多い。
そこで、毎日持ち歩いていつでも読める易経入門書を書くことにした。易経の原型は今から四~五千年前に古代支那の伏羲(ふつき)が考案したと伝わる「八卦(はつか)」と「六(ろく)十(じゆう)四(し)卦(か)」である。陰陽の概念を根幹に生み出された八卦が重なって出来た六十四卦の物語(宇宙空間におけるありとあらゆる現象を説明する時の物語)が易経の本質であり魅力である。
本書は「これ以上簡単にできない易経入門」の現代語訳を大幅に見直し、誰もが易経(易占い)を好きになるように工夫して書いた。一人でも多くの人に読んでほしい。
日本の教え研究家 白倉信司
