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易経(周易)を読み解く 百七五(雷火豊 四五上)

2021年12月21日

九四 ‥‥― ―‥― (雷火豊) 之卦 三六地火明夷
九四。豐其蔀。日中見斗。遇其夷主、吉。
○九四。其(その)蔀(ほう)を豐(おおい)にす。日(ひ)の中(ちゆう)するに斗(と)を見る。其(その)夷(い)主(しゆ)に遇へば、吉。
 九四は陽爻陰位の不正なので大臣(側近)としての資質に欠ける。上卦震の主なので動く性質を有しているが、上卦離(明智)に属する初九とは陽同士で応じないので明智に欠けている。おまけに暗君六五と相比しているから明智に益々遠ざかっている。それゆえ、灌(かん)木(ぼく)雑草が盛んに繁(はん)茂(も)して日光を遮断し、昼間なのに北斗七星が見えるほどの暗黒の世を終わらせることはできない。九四が大臣(暗君の側近)としての使命に目覚めて、賢人初九と志を合わせて初九を抜擢すれば、やがて、暗黒の世を救うことができる。
象曰、豐其蔀、位不當也。日中見斗、幽不明也。遇其夷主、吉行也。
○象に曰く、其(その)蔀(ほう)を豐(おおい)にすとは、位當らざる也。日(ひ)の中(ちゆう)するに斗(と)を見るとは、幽(くら)くして明らかならざる也。其(その)夷(い)主(しゆ)に遇ふとは、吉の行(こう)也。
 小象伝は次のように言っている。灌(かん)木(ぼく)雑草が盛んに繁(はん)茂(も)して日光を遮断し、昼間なのに北斗七星が見えるほどの暗黒の世を終わらせることができない。九四が大臣(側近)としての資質に欠けるからである。昼間なのに暗黒な世の中を終わらせることはできない、暗君六五と共に悪政を行っているからである。大臣(暗君の側近)としての使命に目覚めて、賢人初九と志を合わせて初九を抜擢することが、大臣(暗君の側近)として行うべきことである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇現在の職務や地位は不適任ゆえ力を発揮できない。職務や地位に安んずることができない。職務や地位を換えれば、吉運を招き寄せる。
○下位に居る智者と協議して事に中れば、志が実現して事業が成就する。
○下位に居る同志を任用できれば、吉運を招き寄せる。

以下省略。次の書籍をご覧ください。