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明治十九年出版 高島易断 現代語訳(一部掲載)

2026年6月16日

九五。飛龍在天。利見大人。
○九(きゆう)五(ご)。飛(ひ)龍(りゆう)天に在り、大(たい)人(じん)を見るに利(よろ)し。
飛龍在天、大人造也。
○飛(ひ)龍(りゆう)天に在りとは、大(たい)人(じん)の造(しわざ)なる也。

五爻は天の道である。天は龍の本拠地であり龍が飛ぶのは龍の本能である。龍が飛翔して天に昇り、雲を集めて慈雨を地上に降らせる。神仏は慈雨を生成発展変化させ萬物は澤の恩沢に浴する。九五の大人は中庸の徳を具えて位が正しいから、髪の毛一本ほども私(わたくし)心(ごころ)はなく天下国家を臨み観て万民を化育する(教え導き徳化する)こと、恰も天地が万物を生成発展させるようである。天は人々を誉めるために春夏の季節を提供し、人々を戒めるために秋冬の季節を提供するのである。九五の大人は天に代わって人を治め、天に先立っても天と違うことなく、神仏に通じて吉凶を前もって予測する。それゆえ、天下国家に善を勧め(仁者を増やし)て、悪を懲らしめる(不仁者を減らす)ことができるのだ。
九五の大人は人の道を尽くして天と徳を同じくしている。しかしながら、仏典に「片手の音を聞け」とあるが、それはなかなか難しいことである。いくら君主が賢明であったとしても賢臣の輔佐がなければ君徳を施すことができない。それゆえ、九二の大人たる賢臣を抜擢任用して天下国家に恩沢を施すのである。九五の君主と九二の臣下は共に大人と称される立派な人物なので、九五の君主は九二の賢臣をよく任用して、九二の賢臣は九五の君主の命令に奉じる。それゆえ、天下太平に至るのである。聖人たる九五の君徳は以上のようである。天下萬民みな親しみ仕事や生活を楽しまない者はいない。乾の徳は九五に至って盛大に花開き善き天下国家が遍く普及する。このような天下太平の日が到来したのは九五と九二の大人が地位を得て天の道に則って人の道を全うした功績である。

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