四十三.澤天夬 ☱ ☰ 君臨する一陰の暗君を決し去る時
□夬(かい)は王(おう)庭(てい)に揚(あ)ぐ。孚(まこと)ありて號(さけ)ぶ。厲(あやう)き有り。告(つ)ぐること邑(ゆう)よりす。戎(じゆう)に即(つ)くに利(よろ)しからず。往(ゆ)く攸(ところ)有るに利し。
夬は決する(五陽爻が一陰爻を決し去る)時。暗君の悪(あつ)行(こう)を広く民衆に知らして除き去る。
◎象に曰く、澤、天に上(のぼ)るは夬なり。君子以て祿(ろく)を施(ほどこ)して下(しも)に及ぶ。德を居(お)くは則(すなわ)ち忌(い)む。
☆暗君上六の悪影響で大きな災難が待ち構えている。思いやりの心で下々に恩恵を施す。
○初九。趾(あし)を前(すす)むるに壯(さかん)なり。往きて勝たず。咎と爲す。
☆時が至るまでは進んではならない。豊富な経験を積むまでは自戒して慎むべきである。
○九二。惕(おそ)れて號(さけ)ぶ。莫(ぼ)夜(や)、戎(じゆう)有るも、恤(うれ)ふる勿(なか)れ。
☆暗君上六を警戒することを世に広く警鐘すれば事変が起きても何も心配することはない。
○九三。頄(き)に壯(さかん)なり。凶有り。君子は夬(かい)夬(かい)たり。獨(ひと)り行きて雨に遇ひ、濡(ぬ)るるが若くにして慍(いきどお)らるる有れども、咎无し。
☆暗君上六に立ち向かう。相手は佞人で傲慢なので温和にことを運ぶことが求められる。
易経は本当に面白い。しかし、「易経は難しい」という印象で読まない人が多い。
そこで、毎日持ち歩いていつでも読める易経入門書を書くことにした。易経の原型は今から四~五千年前に古代支那の伏羲(ふつき)が考案したと伝わる「八卦(はつか)」と「六(ろく)十(じゆう)四(し)卦(か)」である。陰陽の概念を根幹に生み出された八卦が重なって出来た六十四卦の物語(宇宙空間におけるありとあらゆる現象を説明する時の物語)が易経の本質であり魅力である。
本書は「これ以上簡単にできない易経入門」の現代語訳を大幅に見直し、誰もが易経(易占い)を好きになるように工夫して書いた。一人でも多くの人に読んでほしい。
日本の教え研究家 白倉信司
