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天命に生きる 日本の教え: スタンダード

2025年10月6日

日本に古くから伝わる教え(神道、古事記、易経、中庸、大學、論語、仏教、実語教、童子教などを指す。以下、「日本の教え」と略す)を學び始めて二十五年目。日本の教えは奥深いので生涯かけても學び尽くせないだろう。日本の教えを學び始めたきっかけは、四十一歳の時に人生の師匠といえる先生に出会ったことにある。

師匠と出会うまで、わたしは自分中心に物事を考えていた。サラリーマン(国鉄と県庁勤務)時代にひょんなことから中小企業診断士という経営コンサルタントの国家資格を取得し三十七歳で経営コンサルタントとして独立したわたしはマズローの欲求段階説の最終段階とされる「自己実現」を謳歌していた。自分が好きなこと(経営コンサルタント)をして社会に貢献しながら経済的にも豊かになった自分の生き方に満足していた。

そんなわたしの生き方が自分勝手だと気付かされたのは、師匠のお陰だ。師匠に出会わなければ、わたしは今も自分勝手な生き方を謳歌していただろう。自分の損得を超えて、世のため人のために生きている師匠に出会ったことがきっかけで、日本の教え(古事記や易経など)に出会って、わたしは自分のために生きることをやめ、天命に生きるようになった。

今の日本では誤った個人主義が横行して、自分のために生きている人がほとんどのように見える。それはそれで悪いことではないが、やはり、人間として生まれてきた以上は天命を自覚して、天命(世のため人のため)に生きたいものである。

この本を書こうと思ったのは、一人でも多くの人に「天命に生きる」ことの素晴らしさを感じてもらい、充実した人生を歩んでほしいと願うからである。

この文章は、先に出版した「天命に生きる 易経と古事記の教え 入門篇」に加筆・修正したものである。