水天需の面白いところは、結果が出てハッピーエンドとはいかないところである。最善を尽くして結果を待つ。結果は出るけれどもハッピーエンドとはいかないのである。結果が出るけれどもハプニングが起こる。結果が出て、やれやれと思ったところでハプニングが起こるのである。これにどのように対応するかが問われることになる。これが水天需の醍醐味である。ハプニングにどのように対応するかが問われているのである。
以上が水天需の概要である。
ここから先は原文(漢文と書き下し文)を示した上で、初心者でも理解できるように意訳していく。
需、有孚。光亨。貞吉。利渉大川。
○需(じゆ)は、孚(まこと)有り。光(おおい)に亨(とお)る。貞なれば吉。大(たい)川(せん)を渉(わた)るに利し。
需は孚(まこと)(真心・上卦坎☵の性質)が剛健(剛毅で健やか・下卦乾☰の性質)に支えられている。孚(まこと)は光のように隅々を普(あまね)く照らし、剛健な性質と相待って何事もすらっと通る。
需の時における正しい(慈雨が降ってくるのをゆったりと待つ)道を固く守れば幸運(しあわせ)に巡り逢える。正しい(慈雨をゆったりと待つ)道を固く守れば難しい事に取り組んでも宜しい。
彖曰、需須也。険在前也。剛健而不陥。其義不困窮矣。需有孚、光亨、貞吉、位乎天位、以正中也。利渉大川、往有功也。
○彖に曰く、需(じゆ)は須(ま)つ也。険(けん)前に在(あ)る也。剛健にして陥(おちい)らず。其の義困(こん)窮(きゆう)せず。需は孚(まこと)有り、光(おおい)に亨(とお)る、貞なれば吉とは、天(てん)位(い)に位(くらい)するに、正(せい)中(ちゆう)を以てする也。大(たい)川(せん)を渉(わた)るに利しとは、往(ゆ)きて功(こう)有る也。
需は自然に慈雨が降ってくるのを待つ時である。下卦乾(剛健・剛毅で健やかな性質)が前に進もうとするが、上卦坎(険難)が立ち塞がって容易に進めない。以下省略。