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天命に生きる日本の教え 渡辺京二著「逝きし世の面影」に学ぶ

ⅩⅦ 第九章 女の位相

開国したこの国を訪れた異邦人の「発見」のひとつは、日本の女たちそれも未婚の娘たちの独特な魅力だった。ムスメという日本語はたちまち、英語となりフランス語となった。オイレンブルク使節団の一員として、一八六〇年初めてこの国の土を踏み、六二年領事として再来日、七十二年から七十五年まで駐日ドイツ公使をつとめたブラント(一八三五~一九二〇)のいうように、「ムスメは日本の風景になくてはならぬもの」であり、「日本の風景の点景となり、生命と光彩を添え」るものだった(P342)。
(ブラント「ドイツ公使の見た明治維新」新人物往来社・一九八七年)

オイレンブルク一行は王子を訪ねたさい、染井の植木屋で休憩をとったが、ベルクによれば、「この庭園のもっとも美しい花」はその家の娘だった。「彼女は稀にみる品格と愛嬌のある女性で、われわれが来たときは、質素な不断着で園芸の仕事をしていたが、仕事をやめてわれわれにお茶を出してくれた。控え目でしかも親切な物腰に、われわれの一行はみな見せられてしまった」と彼は記している。
オイレンブルク自身の手記によると、「私達にお茶を出した若い女の子は、私達が話しかけるといつも可愛らしく顔を赤らめるのであったが、この若い女の子にたちまち私達一行の中の若い人々は心を奪われ」、オイレンブルクは「彼らを発たせるのに非常に苦労」しなければならなかったのである。(P342)
(「オイレンブルク日本遠征記・上巻」)

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