ⅩⅥ 第八章(裸体と性)の考察
第八章の「裸体と性」については、肯定的な評価と否定的な評価に区分することが難しいので、太字にした(強くわたしの心に残った)箇所を分類した上で考察していきたい。
□公然たる裸体と混浴の習慣について
○幕末来日した西洋人を仰天させ、ひいては日本人の道徳的資質さえ疑わせるにいたった習俗に、公然たる裸体と混浴の習慣があったことはひろく知られている
○浴場それ自体が共同利用で、そこでは老若男女、子供を問わず混じり合って、ごそごそとうごめき合っているのである。また外人が入って来ても、この裸ん坊は一向に驚かないし、せいぜい冗談混じりに大声をあげるくらいだった。
○人為的な習慣をもつわれわれは日本人の原始的な素朴さに仰天し、こんなにからだをさらけ出して、若い男女に道徳上の悪い影響がないのかと思ってしまうのだった
○西洋の厳格な道徳家は混浴のやりかたを、彼らの節度の観念に真正面から反するというのできっと非難するだろう。一方、この習慣は堕落以前のエデンの園に存在したような素朴と無垢を示しているだけだと主張する人もいる
