象曰、山下出泉蒙。君子以行果德育。
○象に曰く、山(さん)下(か)に出(い)ずる泉は蒙なり。君子以て行いを果たし德を育(やしな)う。
下卦坎☵は水である。けれども水とは言わずに泉と言うのはどうしてだろうか。おおよそ水と言えば多くは険難の意味になる。泉は水の大本なので湧き出るという意味になる。泉から湧き出た水は濁りなく澄み渡っており、流れ行く先がまだ定まっていない。幼時は人間としての徳性がまだ定まっていない。また、外部からの悪影響に汚染されていないので、その志のエネルギーが何処に向かっていくのかわからない。。
それゆえ、無垢な幼時を泉に例えて「山水蒙」と名付けた。「行いを果たし」とは泉から初めて湧き出た水が流れ流れて細い川となり、段々太くなって大河となり終には千萬里の遠きにある大海に達することを言う。この在り方は君子が善を行い過を改めことを繰り返し繰り返し行うことに通ずる。
