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天命に生きる 実語教 童子教 の教え(一部掲載)

2026年3月21日

 習い読めど意(こころ)にいれざれば
 酔い寝て讇(むつごと)を語るが如し
 千巻を読めども復さざれば
 財無くして町に臨むが如し

 學んで時に之を習うように古典を何度読んで學んでも、己が信念(見識)にならないようでは、酒を飲んで酔っ払い寝転んで男女が戯れて話をしているのと変わらない。
 たとえ千巻の古典を読んでも、學んで時に之を習うように、己が信念(見識)にならないようでは、経済力を失った指導者が廃れた町を復興させようとしているようなもので、何も実現することはできない。
 論語には「學は及ばざるが如くする(追いつけないと思って頑張る)も、猶おこれを失わんことを(忘れてしまわないかと)恐る」とある。


嘗(かつ)ての日本人は「天命に生きる」人生を歩んでいた。「実語教」や「童子教」など、古くから伝わる日本の教えを學んだからである。今の日本人は古くから伝わる日本の教えを學ばなくなってしまった。そろそろ、日本の教えを取り戻さないと、日本が日本でなくなってしまう。そんな思いで本書を書いた。

実語教では「天命」のことを「天地」といい、それは「父母」と「孝」、あるいは「師君」と「仕」の相互作用で成り立つ。そのことを「父母は天地の如く、師君は日月の如し。(中略)父母には朝夕に孝せよ。師君には昼夜に仕えよ」と書いてある。

童子教では「天命」のことを「仏」といい、それは「仏道を求む」と「仏道を成ず」の相互作用で成り立つ。そのことを「(前略)花を折って仏に供する輩(ともがら)は 速やかに蓮(れん)台(だい)の趺(はなぶさ)を結ぶ。上は須(すべから)く仏道を求むべし 中(なか)ばは四(し)恩(おん)を報ずべし。下(しも)は徧(あまね)く六(ろく)道(どう)に及ぶ 共に仏道を成(じよう)ずべし」と書いてある。

実語教と童子教が普及したのは、江戸時代に寺子屋のテキストとして用いられたからである。実語教は平安時代の終わり頃に成立したと言われ、明治時代になっても読まれていたという。何と千年近く子供たちのテキストとして読まれ続けてきたのだ。童子教は鎌倉時代の終わり頃に成立したと言われている。いずれにしても、長い期間にわたって子供たちは「実語教」と「童子教」を読んで人格を形成した。

今の「自分のために生きる」日本人に、是非、「実語教」と「童子教」を読んでいただき、「天命を生きる」人生を歩んでほしいと思う。

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