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時の物語(易経短編小説集・近日中に出版予定)50

四十九.抜本的に変革する時

 人や組織(小は家庭から大は国家まで)には抜本的な大変革を必要とする時がある。人の場合は「生き方」を大きく変える時、一大発心する時が該当する。組織の場合は今の体制を抜本的に変革(大変革)しなければ存続できない時がある。日本の歴史に当て嵌めれば明治維新である。人や組織を取り巻く環境が激変した時。その環境に適合させるために、今の考え方や体制を抜本的に変革(大変革)するのである。

 「抜本的に変革する時」の主人公は「十八.刷新する時」で登場した米国の経済植民地として隷属している日本の主権を取り戻すために立ち上がった「あなた(わたし)」がその後どうやって日本の主権を取り戻したかという夢(こうなればいいなぁ)物語である。

 令和○○年、心ある人々が予(かね)てから心配していた事態が現実化した。C国が尖閣諸島に侵略してきたのだ。ある時数十艘の民間漁船が尖閣周辺で漁を始め、徐々に魚釣島に近付いていき漁師を装った元兵士が次々と上陸して居座ったのである。軍隊が侵略してきたわけではないので自衛隊は手を出すことができず、民間漁船に交じって漁船を装った戦艦が複数周辺を取り巻いて危険なので、海上保安庁も手が出せない。C国に阿(おもね)る日本政府が手を拱いている間に機材が運び込まれ簡易住宅ができてしまった。尖閣諸島は自国の領土だと毎日領海侵犯を繰り返し実効支配を主張するC国が上陸した自国民を保護する名目で空母も出してきた。日本が頼りにしていた米国は尖閣諸島は日本が実効支配しているとは認めずに静観している。これまで十分予想できた事態なのに何の準備もしてこなかった日本政府は「遺憾だ。遺憾だ」と繰り返すだけでまともに交渉すらできない。今の日本には尖閣諸島を取り返すことはできない。国民の多くはC国が侵略してくるなどあり得ないと思っていたようだが、目の前で白昼堂々と侵略される様を見て動揺しパニックに陥っている。中国大使館の前には十万人を超える民衆が集まり中国に抗議している。日本は尖閣諸島を守るために国有化はしたが、現政権が公約として掲げた公務員の常駐、船着き場の整備など全く行わず、毎日のように行われたC国の領海侵犯を許し続けたツケがこのような事態を招いた。以下省略。