六三 水(すい)火(か)既(き)済(せい) ・｜・ ｜・｜ 全てが完成
六三（六三）教育「水(すい)火(か)既(き)済(せい)」 互卦 六四火水未済
※最初は順調だがやがて活動が停滞して怠惰となり世の中が乱れていく時である。
君子（人格者）は泰平な時に先々の事を心配して予(あらかじ)め対策を講じておく。
あらゆる事（形も内容も）が完成する（した）時である。
これ以上を求めてはならない。今に満足すべきである。大事は通らないが小事ら通る。
最初はうまく行くが、最後まではうまく行かない時。運気が盛んなうちに、やがて運気が衰えた時にどうするかを計画しておくべきである。
出逢った人とは離れることになる運命である。何事も適度・適切に対応すべきである。
〇始めは運氣盛んだが、後(のち)に衰える時である。まだ運氣が盛んなうちに、やがて運氣が衰えた時にどうすべきかを計画しておくべきである。また、中女と中男が親しくしているが、やがては離別する。陰陽応じ合うのは吉運だが、それぞれが役割を果たす時には自立している。それぞれが自立しているから、応じ合うことができる。以上のことから、この卦が出たら、会った人とは離れることになる運命である。
○既に事業は成し遂げた。これ以上の成功は求めずに、現状を維持すべきである。
○大事業は、最初はうまく進む。最後まではうまく進まない。
○物事が完成した時である。只管(ひたすら)正しい道を守って、これ以上成功しようと大事業を興そうとしてはならない。 ○物事が決定する（決まる・落着する）時である。
① 水(すい)火(か)既(き)済(せい)初爻 ・｜・｜・｜ 之卦水山蹇 ・｜・｜・・
全ては完成した。これ以上車が前に進まないように車輪を固定するべきである。
あなたは完成する（した）時の始めの段階に居てこれ以上車が前に進まないように車輪を固定する役割を担っている。慎んで進むのを止めれば吉運を招き寄せるが、進めば相棒を道連れにして凶運を招き寄せることになる。
〇上位の人（上司）が突然困難に陥ったので、手助けしようとして慌てて出かけて行ったが、微力なので何の役にも立たず、途中で虚しく帰るしかない時。急な事なので、心意気は大したものだが、自分の力量不足を知らないので、災難を招き寄せる。
○滅私奉仕する人は、要職に就いて馬車に乗る。青白いエリートは、学問が優れていても、経験不足ゆえ、馬車に乗ってはならない。馬車に乗れば危ない目に遭う。
○完璧に準備したのに、敗北して災難を招き寄せる。慎んで進むのを止めれば吉運を得る。進んでしまえば災難を招き寄せる。
② 水(すい)火(か)既(き)済(せい)二爻 ・｜・｜・｜ 之卦水天需 ・｜・｜｜｜
あなたはトップ⑤の伴侶の役割を担っている。小人に（悪人）騙されてトップを疑うことになるが小人を憎んではならない。やがてトップとの信頼関係は回復する。何事もあなたの期待通りに行かない時である。
〇心の中で期待している事が期待通りに進まないので失望するが、一定期間の後は期待通りに進む。モノを紛失しても、淡々と探せば自然に見付かる。急ぐと災難を招く。
③ 水(すい)火(か)既(き)済(せい)三爻 ・｜・｜・｜ 之卦水雷屯 ・｜・・・｜
あなたは完成した時に大事を成し遂げようとする小人（凡人）である。
すでに完成したので大事は通らない時に、小人のあなたは大事を成し遂げようとする。
大事を成し遂げられたとしても大赤字になる。誰にも相手にされない。
できそうもない事はやらないことである。
〇天理に従って事業を企画すれば、時間がかかっても成し遂げることができる。但し、諺に勘定合って銭足らずと云うように、事業は成し遂げても、赤字が出る（資金が不足する）。
○親友や同僚と議論が噛み合わずに敵対する。慎むべきである。
④ 水(すい)火(か)既(き)済(せい)四爻 ・｜・｜・｜ 之卦澤火革 ・｜｜｜・｜
順調な時も半ばを過ぎて綻びが生じ始めた時である。
足下を掬われないように自分を戒めてトップ⑤を補佐すべきである。
あなたが質素なお供え物で神仏をお祀りして真心を貫けば、幸運を招く。
完成した（する）時も後半に入り、綻(ほころ)びが生じ始めた。あなたはトップ⑤の側近として役割を果たし足下を固める。非常事態に備えるべきである。今は神仏を尊崇してご加護を賜るべきである。
〇日頃、心から本業を務め、思慮深く非常事態に備えている。それゆえ、事変に対処するに中り、神仏のご加護を賜り、災難を回避できる。しかし、進む行くのはよろしくない。
○宰相（大臣・側近）の地位に居て、驚くような事がある。 ○船に穴があいて漏れ始めるが、神仏のご加護を賜る。 ○乱暴者が家（組織）の中に侵入してくる。
⑤ 水(すい)火(か)既(き)済(せい)五爻 ・｜・｜・｜ 之卦地火明夷 ・・・｜・｜
あなたは完成した（する）時のトップとして、華美は抑えて質素なお供え物で神仏をお祀りすべきである。あなたが真心を貫けば幸運を招き寄せる。
くれぐれも驕り高ぶらないように自戒して慎むべきである。
〇尊位に在るが、衰運に向かって行く時。幸い下に忠臣が居るので、これを抜擢任用し、志を同じくして、衰運に向かって行く流れを制止すれば、大きな幸運を招き寄せる。しかも、神仏のご加護をも賜る。くれぐれも驕り高ぶらないように自戒すべきである。
○神仏をお祀りして大きな幸運を招き寄せ、幸福が到来する。
⑥水(すい)火(か)既(き)済(せい)上爻 ・｜・｜・｜ 之卦風火家人 ｜｜・｜・｜
あなたは軽挙妄動し大事を為そうとする。天下泰平を維持することはできない。
あなたは盛運が衰運に転じたのを知らず、大事を成そうとする。
今は何事も慎重に対応するべきである。
〇親族や知人と助け合って何とかやってきたが、時運が変化して、世知辛い世の中になった。頼るべき人は最早存在しない。自分のことは自分で何とかするしかない。自ら進退を決断すべき時である。
○働き盛りで才能がある社会人が、経験がないのに大きな事業を実施して失敗する。