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天命に生きる日本の教え 渡辺京二著「逝きし世の面影」に学ぶ

ⅡⅩⅤ 第十三章 信仰と祭

欧米人観察者の眼には、日本人はいたって宗教心の薄い民族にみえた。一八五九(安静六)年、江戸を訪れたヴィシェスラフツォフは言う。「日本人はまるで気晴らしか何かするように祭日を大規模に祝うのであるが、宗教そのものにはいたって無関心で、宗教は民衆の精神的欲求を満足させるものとしては少しも作用していない。それに反して迷信は非常に広く普及していて、お守りとか何かの象徴を住居その他につけるのがごく普通になっている。病魔を遠ざけるために家の扉に蟹を釘で止めたりするかと思うと、好運の日、不運の日があって、船乗りは暦でどの方角を避けるべきか前もって調べた上でないと湊を離れない。寺社には老女と子供しかおらず、老女が祈っている間、子供の方はお祈りや念仏が唱えられているというのに、大声をあげて遊び回っている」。
(p526)(リンダウ「スイス領事の見た幕末日本」新人物往来社・一九八六年)

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