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天命に生きる日本の教え講座 安岡正篤「人生手帖」に学ぶ

安岡正篤一日一言を読み解く

五月四日の言葉 気の帥

志は精神の大統力である。すなわちこれを「気の帥(すい)」という。これ人の命であり、木の根であり、水の源である。もし志が立たねば精神は活動しない。

この世は「氣」から成っていると東洋思想では考えます。「元氣初め分れて軽く清きは上りて天となり、重く濁れるは陰にして下って地となり萬物を陳列せり」(漢和辞典から抜粋)。つまり、この世は、大宇宙に元々あった氣、すなわち「元氣」が天と地に分かれたものなのです。天地の一部である、わたし達人間にも「氣」が宿っているのですが、その「氣」を生かすためには「志」が必要であり、これを「氣の帥」というのです。「氣の帥」がなければ、「氣」は不安定になり、人間は「弱氣」「病氣」「狂氣」に陥ります。そのようにならないように、「志」、すなわち「氣の帥」をしっかりと立てることが必要であり、「志」が立てば、「元氣」が「志氣」に昇華し、やがて「氣」は「節」となり「骨」となる。これを「志節」「氣骨」といいます。「氣骨」がある人のことを「度量が大きい」といい、それがされに練れてくると「風韻」という人間としての最高の境地に辿り着きます。
論語にも「志」の大切さを説いた次の文章があります。
「子曰わく、三軍も帥を奪うべきなり。匹夫も志を奪うべからざるなり」。
ここで言っている「帥」とは軍隊の総大将(司令官)のことであり、「氣の帥」のことではありません。どんなに偉い人からでも、その地位を奪うことはできるが、どんなに平凡な人からでも、その志(氣の帥)は奪うことはできない、と孔子はおっしゃっているのです。
そして、「志」とは、「自分の損得よりも、他人の損得、社会の損得を優先する心である」と定義しておられるのは、わが師である上甲晃先生です。
充実した人生を送るためには、人間としてきちんと生きていくためには、志が必要不可欠なのです。しかし、志をしっかりと立てて生きている人というのは、少ないのです。

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