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天命に生きる日本の教え講座 安岡正篤「人生手帖」に学ぶ

安岡正篤一日一言を読み解く

四月二十二日の言葉 世話役

なるべく人の世話役を心がけよ。そして、報を望むな。求むるな。(以上、安岡正篤一日一言から)

短い文章ですけれども、非常に奥深く、そしてまた実行するのが難しいことです。世話役というのは煩わしいことが多いわりに、人に感謝されず、いわば縁の下の力持ち的な存在であります。やったことが報われないことが多いので、誰もが引き受けたがらない。それが世話役であります。
わたしに「人の道」を教えてくださった、夢甲斐塾・塾長の上甲晃先生は、これを「一歩前へ出る」とおっしゃっております。誰もがやりたがらない役だけれども、誰かがやらなければその事業や組織が成り立たない役というのがあります。自治会長、PTA会長、団体の事務局、親睦旅行の幹事などであります。そのような役を自ら手を上げてやりなさい。一歩前へ出なさいとおっしゃるのです。
そのような役を引き受けると、大変煩雑なことをやらなければなりません。ちゃんと出来て当たり前、出来なかったら責められる損な役回りであります。ですから、誰も引き受けようとはしません。しかし、そこを敢えて一歩前に出て引き受けなさいと言うのです。
まさに安岡先生が言うところの「なるべく人の世話役を心がけよ。そして、報を望むな。求むるな」ということであります。
それによって何が得られるのかというと、「己を抑えて、人のために尽くすという、利他の精神」であります。俺が俺がという、物事を自分の思い通りにやろうという心を抑えて、人から頼まれたことを、嫌な顔をせずに、黙々とやる。こういうことは、なかなか出来ることではありません。しかし、一歩前に出て、世話役を引き受けることになれば、否が応でもやらなければならない。だから、一歩前に出ることで、強制的にでも利他の精神を身に付けなさいと、上甲先生は「人の道」を説いているのです。

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