四十八.水風井 ☵ ☴ 泥水を清水に濾過し世に役立つ時
□井(せい)は邑(ゆう)を改むれども井(せい)を改めず。喪(うしな)ふ无(な)く得る无(な)し。往(おう)來(らい)井(せい)を井(せい)とす。汔(ほとん)ど至らんとして、亦(また)、未(いま)だ井(せい)に繘(つるべなわ)せず、其(その)瓶(つるべ)を羸(やぶ)るは、凶なり。
遷(せん)都(と)で村人や村落が移転しても井戸は残る。井戸から水を汲み出せばみんな恩(おん)澤(たく)に与る。
◎象に曰く、木の上に水有るは井なり。君子以て民に勞(ろう)し相(たす)くるを勸(すす)む。
☆萬民を思いやって慈しみ、相互扶助の精神を大切にして安寧な社会・組織の実現を図る。
○初六。井(せい)泥(にご)りて食(くら)はれず。舊(きゆう)井(せい)、禽(とり)无(な)し。
☆人德を具えていても、運気衰え世間に埋もれ能力を発揮できない。先ず能力を磨くべし。
○九二。井(せい)谷(こく)、鮒(ふな)に射(そそ)ぐ。甕(かめ)敝(やぶ)れ漏(もれ)る。
☆泥水を清水に磨いても、時が至らないので目上の人に認められない。時が至るのを待つ。
○九三。井(せい)渫(さら)へたれども食はれず。我が心の惻(いたみ)を爲す。用て汲(く)む可(べ)し。王明らかならば、竝(とも)に其(その)福を受けん。 ☆井戸の中に埋もれている清水だが、誰も汲み上げてくれない。地位が高い人が清水の存在に気付いて汲み上げてくれれば吉運を招き寄せる。
易経は本当に面白い。しかし、「易経は難しい」という印象で読まない人が多い。
そこで、毎日持ち歩いていつでも読める易経入門書を書くことにした。易経の原型は今から四~五千年前に古代支那の伏羲(ふつき)が考案したと伝わる「八卦(はつか)」と「六(ろく)十(じゆう)四(し)卦(か)」である。陰陽の概念を根幹に生み出された八卦が重なって出来た六十四卦の物語(宇宙空間におけるありとあらゆる現象を説明する時の物語)が易経の本質であり魅力である。
本書は「これ以上簡単にできない易経入門」の現代語訳を大幅に見直し、誰もが易経(易占い)を好きになるように工夫して書いた。一人でも多くの人に読んでほしい。
日本の教え研究家 白倉信司
