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ネコちゃん占い師の占筮日記299

十月二十八日 火曜日 四十一.山澤損☶☱上九

三時四十分に起床。

今日もマロンちゃんとみかんちゃんとわたしが政治について占筮する。

マロンちゃんが卦辞・彖辞の解釈、みかんちゃんが大象伝と高島嘉右衛門の占断の解釈、わたしが爻辞と高島嘉右衛門の占断の解釈を担当する。

本日は「支持率は高いがグローバリストぶりが垣間見られる高市総理は国民の期待に応えられるか」を占筮したところ山澤損☶☱上九が出た。

ネコちゃん占い師とわたしは次のように占断した。

マロンちゃんが卦辞・彖辞を解釈して次のように断じた。

○損(そん)は孚(まこと)有り。元(げん)吉(きつ)。咎(とが)无(な)し。貞(てい)にす可(べ)し。往(ゆ)く攸(ところ)有るに利(よろ)し。曷(なに)をか之(これ)用(もち)ひん。二(に)簋(き)、用(もつ)て亨(とお)す可(べ)し。

損は下(内)を減らして上(外)を増やす(会社が従業員に支給する賞与を減らしたり、政府が国民から徴収する税金を上げる)時。上(外・会社や政府)に真心があれば大いに宜しきを得て、幸運を招き寄せる。咎められることもない。正しい道(道德)を固く守れば大きな事を進めてもよい。

ところで、下(内)を減らして上(外)を増やす損の時に神仏をお祀りするのは、どのようにしたらよいのだろうか。下(内)を減らして上(外)を増やす損の時にはいつもよりもお供え物は質素にして真心で神仏をお祀りすることが望ましい。神様仏様はその真心を快く受け入れてくださる。

マロンだニャン。山澤損☶☱は「下(内)を減らして上(外)を増やす」時。下を国民と解釈すれば、国民の期待を裏切って支持率は低下するが、上の高市政権にとっては足下を固めることになり、政治的には安定するので、最終的に国民も納得すると読み取ることができるニャン。卦辞・彖辞に「上(政府)に真心があれば大いに宜しきを得て、幸運を招き寄せる。咎められることもない。正しい道(道德)を固く守れば大きな事を進めてもよい」とあることから、内閣発足当初は期待が大きくて支持率も高いが、現実の政権運営はこれまでの政治の継続性を重視するので、政治の大転換を期待していた国民はがっかりする。しかし、内閣には悪気はなく政治的に安定するので、最終的に国民も納得して支持率は回復すると見立てることができるニャン。

みかんちゃんが大象伝と高島嘉右衛門の占断を解釈して次のように断じた。

○象に曰く、山の下に澤有るは損なり。君子以て忿(いかり)を懲(こ)らし欲を塞(ふさ)ぐ。

山の下に澤が有る。君子(立派な人)は、忿(ふん)怒(ど)の心(乾☰の卦德)を戒(いまし)め(て兌☱の悦びの心を育み)、欲望の心(坤☷の卦德)を塞(ふさ)いで(艮☶の抑制する心を養い)、己の人間性を磨く。
☆他人や社会に対して自分の財産を提供する時。他人と協力して企画・実行することは成就する。私利私欲を抑えれば人徳が益す。また、驕り高ぶることを抑えれば財産を益す時。損すべき時に損して周りの人から信頼されれば、大いなる吉運を招き寄せて何の問題も起こらない。

みかんだニャン。大象伝に「欲望の心(坤☷の卦德)を塞(ふさ)いで(艮☶の抑制する心を養い)、己の人間性を磨く」とある。「欲望の心」を「政治家と業界の利権」とすれば、これまでの管・岸田・石破政権とは一線を画して利権のない政治を目指すと解釈することができるニャン。高島嘉右衛門の占断は「損すべき時に損して周りの人から信頼されれば、大いなる吉運を招き寄せて何の問題も起こらない」とある。「損すべき時に損」するとは、国民の期待を裏切って支持率を下げても堅実な政権運営を行うことにより政治が安定すれば国民も安心して支持率は回復すると解釈することができるニャン。

わたしが爻辞と高島嘉右衛門の占断を解釈して次のように断じた。

※第六段階の「小さな物語」損が窮(きわ)まり益に変化する
○上九。損せずして之(これ)を益す。咎无し。貞(てい)にして吉。往(ゆ)く攸(ところ)有るに利(よろ)し。臣(しん)を得て家(いえ)无(な)し。 貴方は下(内)を減らして上(外)を増やす(会社が従業員に支給する賞与を減らしたり、政府が国民から徴収する税金を上げる)損の時の卦極(一番上)に居(い)る。損が窮(きわ)まり変化する時である。そこで、下を減らすことなく増やすことを図り、善政を施(ほどこ)して下々を益する。下々はこれを歓迎して、誰も貴方を咎(とが)めない。正しい道(道德)を固く守れば宜しきを得て幸福を招き寄せる。大きな事業を進めても宜しい。貴方は下々の信服を得て、自分の家よりも公を優先する気風が生まれる。
☆相手に損失を与えることなく利益を得て社会や国家のために尽くすから多くの人々から尊崇される。

山澤損☶☱上九は「損が窮(きわ)まり益に変化する」時である。爻辞には「下を減らすことなく増やすことを図り、善政を施(ほどこ)して下々を益する。下々はこれを歓迎して、誰も貴方を咎(とが)めない」とある。これを好意的に解釈すれば「政権が安定してくれば、国民が期待していた政策を実現して国民の生活も安定するようになる。そうなれば国民は喜んで支持率は大いに高くなる」と見立てられる。高島嘉右衛門の占断に「社会や国家のために尽くすから多くの人々から尊崇される」とあるのも、そのことを裏付けている。以上のことから、高市政権は一度は国民の期待を裏切って支持率は低下するが、政治が安定して国民の生活が改善すれば、国民は喜んで支持率も回復するという見立てとなる。だが、しかし、伝え聞く高市総理のグローバリストぶりが本当だとすれば、政治が安定して国民の生活も改善するとは思えない。今後の政権運営に注目する必要があろう。