五十六.火山旅 ☲ ☶ 見知らぬ場所で仕事・生活する時
□旅(りよ)は小(すこ)しく亨(とお)る。旅は貞(ただ)しければ吉。
アウェイで活動する時。見知らぬ土地を旅するような時なので何事にも慎重であるべし。
◎象に曰く、山の上に火有るは旅(りよ)なり。君子以(もつ)て明らかに愼(つつし)みて刑を用ひ、而(しか)して獄(ごく)を留(とど)めず。 ☆他の場所へ移転する時。親しい人が少なく受け容れられない時。心が安定しない時。
○初六。旅(りよ)にして瑣瑣(ささ)たり。斯(こ)れ其の災を取る所なり。
☆偏屈な人物なら勿論、偏屈な人物でなくても人に評価されることなく恥辱を受ける時。
○六二。旅(りよ)にして次(やどり)に即く。其(その)資(し)を懐(いだ)く。童(どう)僕(ぼく)の貞(てい)を得(う)。
☆素晴らしい人々と出逢って仲良くできる。親切な人や経済的に恵まれて心安らかな時。
○九三。旅(りよ)にして其(その)次(やどり)を焚(や)く。其(その)童(どう)僕(ぼく)の貞を喪(うしな)ふ。厲(あやう)し。
☆慎むことを知らない。驕り高ぶって困窮と災難を招き寄せる。忠誠を尽くす部下を失う。
易経は本当に面白い。しかし、「易経は難しい」という印象で読まない人が多い。
そこで、毎日持ち歩いていつでも読める易経入門書を書くことにした。易経の原型は今から四~五千年前に古代支那の伏羲(ふつき)が考案したと伝わる「八卦(はつか)」と「六(ろく)十(じゆう)四(し)卦(か)」である。陰陽の概念を根幹に生み出された八卦が重なって出来た六十四卦の物語(宇宙空間におけるありとあらゆる現象を説明する時の物語)が易経の本質であり魅力である。
本書は「これ以上簡単にできない易経入門」の現代語訳を大幅に見直し、誰もが易経(易占い)を好きになるように工夫して書いた。一人でも多くの人に読んでほしい。
日本の教え研究家 白倉信司
