わたしが古事記を読む目的は、古事記を学術的に読むのではなく、古事記の文章や物語の中にぎっしりと詰まっている「日本人の価値観」を知りたいからである。
その目的を達成するために、手当たり次第に色々な解説書を読んでみた。参考になる解説書は山ほどあったが、全体を通して完全に納得できる解説書は一冊もなかった。
そこで、易経をベースにした独自の古事記を書いてみようと思った。
なぜ、易経がベースかと云うと、古事記本文の出だしの文章を初めて読んだ瞬間、「あっこれは易経だ」と思ったからである。
易経はすでに二十年近く学んでおり、一通りの理解をしているものと自負している。古事記を読んだ瞬間に「易経」だと思ったのは、古事記が陰陽の法則に基づいて描かれているからである。
古事記に関する著書については、次の二冊を参考にした。特に「二」については、大胆な古事記の解釈として参考にしただけでなく、長文を引用や抜粋として取り上げさせていただいた。
- 一 林英臣著 やまとことば伝説 博進堂
- 二 阿部國治著・栗山要編 新釈古事記伝 第一集~第七集 致知出版社
本のタイトルは、「陰陽古事記伝 阿部國治先生に捧げる」とした。
