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陰陽古事記伝 三貴子誕生と分治 二

□あらすじ
 伊(い)邪(ざ)那(な)伎(き)は大いに喜んで、天照大御神には高天原をお守りし(知らせ)なさい、月(つく)読(よみ)の命(みこと)には夜の世界をお守りし(知らせ)なさい、須(す)佐(さ)之(の)男(お)の命(みこと)には日本の国土を開拓し(知らせ)なさいと天命を与えた。

【書き下し文】
此(こ)の時に伊(い)邪(ざ)那(な)伎(き)の命(みこと)、大いに歡喜(よろこ)びて、「吾(あ)は子を生み生みて、生みの終(すえ)に三はしらの貴き子を得たり」と詔(の)りたまひて、即(すなは)ち其(そ)の御(み)頚(くび)珠(たま)の玉の緒(を)もゆらに取りゆらかして、天(あま)照(てらす)大(おお)御(み)神(かみ)に賜(たま)ひて、「汝(な)が命(みこと)は高(たか)天(あま)原(はら)を知らせ」と詔(の)りたまひて、事(こと)依(よ)させ賜(たま)ひき。故(かれ)、其(そ)の御(み)頚(くび)珠(たま)の名を御(み)倉(くら)板(た)擧(な)の神と謂ふ。次に月(つく)讀(よみ)の命(みこと)に、「汝が命(みこと)は夜(よる)之(の)食(おす)國(くに)を知らせ」と、詔(の)りたまひて事(こと)依(よ)しき。次に建(たけ)速(はや)須(す)佐(さ)之(の)男(お)の命(みこと)に、「汝(な)が命(みこと)は海(うな)原(ばら)を知らせ」と、詔(の)りたまひて事(こと)依(よ)しき。

〇通釈
 以上の三柱の神々がお生まれになった時に、伊(い)邪(ざ)那(な)伎(き)の命(みこと)は、大いにお慶びになって、「わたしはこれまでに伊(い)邪(ざ)那(な)美(み)の命(みこと)と一緒に次から次に子を産んできたが、最後の最後に、三柱の貴い子を産むことができた」とおっしゃって、自分の首にかけていた首飾りの玉をゆらゆらと揺らしながら、天照大御神にお賜りになって、「あなたの天命は高天原(宇宙空間)から日本の国をお守りして、山川草木を含むありとあらゆる生命体が何を望んでいるかをよく知り、その望みを叶えてあげることです」とおっしゃって、その大切な任務をお言葉でご依頼なさった。伊(い)邪(ざ)那(な)伎(き)の命(みこと)が自分の首にかけていた首飾りのことを御(み)倉(くら)板(た)擧(な)(稲の霊力)の神と云うのである。次に、月(つく)讀(よみ)の命(みこと)に、「あなたの天命は夜の高天原(宇宙空間)をお守りして、天照大御神をお助けしなさい」とおっしゃって、その任務をお言葉でご依頼なさった。最後に、建(たけ)速(はや)須(す)佐(さ)之(の)男(お)の命(みこと)に、「あなたの天命は四方を海に囲まれている日本の国を開拓することである。そのために日本に住んでいる人間たちが何を望んでいるかをよく知り、その望みを叶えるような国土を開拓することがあなたの役割です」とおっしゃって、その任務をお言葉でご依頼なさった。

〇超釈
 以上の三柱の神々が自分の目と鼻からお生まれになった時に、伊(い)邪(ざ)那(な)伎(き)の命(みこと)は、大いにお慶びになって、「わたしはこれまでに伊(い)邪(ざ)那(な)美(み)の命(みこと)と一緒に次から次に子を生んできたが、最後の最後に、三柱の貴い子を生むことができた」とおっしゃって、陽の神様の象徴として自分の首にかけていた首飾りの勾玉をゆらゆらと美しく揺らしながら、天照大御神にお賜りになって、「あなたはわたしの左目(陽の陽||)から生まれたのだから、あなたの天命は、これまでわたしが担ってきた陽の神様(ある目的を達成するためにビジョンやシナリオを描いてそれを実現するためのエネルギーを発する役割の神様である)の後継者として高天原(宇宙空間)から日本の国をお守りして、山川草木を含むありとあらゆる生命体が何を望んでいるかをよく知り、その望みを叶えてあげることです」とおっしゃって、その大切な任務をお言葉でご依頼なさった。伊(い)邪(ざ)那(な)伎(き)の命(みこと)が陽の神様の象徴として自分の首にかけていた首飾りのことを御(み)倉(くら)板(た)擧(な)(稲の霊力)の神と云うのである。次に、月(つく)讀(よみ)の命(みこと)に、「あなたはわたしの右目(陽の陰・|)から生まれたのだから、あなたの天命は夜の高天原(宇宙空間)をお守りして、わたしの左目から生まれた天照大御神(陽の陽||)をお助けしなさい」とおっしゃって、その任務をお言葉でご依頼なさった。最後に、建(たけ)速(はや)須(す)佐(さ)之(の)男(お)の命(みこと)に、「あなたはわたしの鼻(陰・)から生まれたのだから、あなたの天命は、これまで伊(い)邪(ざ)那(な)美(み)の命(みこと)が担ってきた陰の神様(陽の神様が発したエネルギーをそのまま受け取って、陽の神様が描いたビジョンやシナリオを実現するために萬物を創造する神様である)の後継者として、四方を海に囲まれている日本の国を開拓することである。そのために日本に住んでいる人間たちが何を望んでいるかをよく知り、その望みを叶えるような国土を開拓(萬物を創造)することがあなたの役割です」とおっしゃって、その任務をお言葉でご依頼なさった。

禊のまとめ(身(み)禊(そぎ)祓(はらい)の祝(のり)詞(と)に登場する神々)

身(み)禊(そぎ)祓(はらい)の祝(のり)詞(と)
 高(たかま)天(の)原(はら)に神(かむ)留(づまり)ます 皇(すめら)御(み)祖(おやの)神(かみ) 伊(い)邪(ざ)那(な)岐(き)の命(みこと) 諸(もろ)神(かみ) 身(み)禊(そぎ)の大(おほ)み時に なりませる神 八(や)十(そ)禍(まが)津(つ)日(ひ)の神 大(おお)禍(まが)津(つ)日(ひ)の神 神(かむ)直(なお)毘(び)の神 大(おお)直(なお)毘(び)の神 底(そこ)津(つ)綿(わた)津(つ)見(み)の神 底(そこ)筒(づつ)之(の)男(お)の命(みこと) 中(なか)津(つ)綿(わた)津(つ)見(み)の神 中(なか)筒(づつ)之(の)男(お)の命(みこと) 上(うへ)津(つ)綿(わた)津(つ)見(み)の神 上(うへ)筒(つつ)之(の)男(お)の命(みこと) および祓(はらひ)戸(ど)の 諸(もろ)神(かみ)々(がみ) 諸(もろ)々(もろ)の 障(さはり)穢(けがれ) を 祓(はら)ひ清(きよ)むることのよしを 平(たいら)けく 安(やす)らけく 御(み)いさみたまひて
聞(き)こしめせと まをす

底(そこ)津(つ)綿(わた)津(つ)見(み)の神 中(なか)津(つ)綿(わた)津(つ)見(み)の神 上(うへ)津(つ)綿(わた)津(つ)見(み)の神 ▽ 阿(あ)曇(づみの)連(むらじ)の祖先神
底(そこ)筒(づつ)之(の)男(お)の命(みこと) 中(なか)筒(づつ)之(の)男(お)の命(みこと) 上(うへ)筒(つつ)之(の)男(お)の命(みこと) ▽ 航海の神・墨(すみの)江(え)の三(み)前(さき)の大神

八(や)十(そ)禍(まが)津(つ)日(ひ)の神 大(おお)禍(まが)津(つ)日(ひ)の神 ▽ 其(そ)の穢(けが)れ繁(しげ)き國に到りし時、汚垢(けが)れしに因(よ)りて成れる神
神(かむ)直(なお)毘(び)の神 大(おお)直(なお)毘(び)の神 ▽ 其(そ)の禍(まが)を直さんと爲(し)て成れる神

三貴子(日本社会創造の神々)のまとめ

別天神と神世七代の神々(日本社会創造の元氣の神様)
 天照大御神(日本社会創造の陽の陽の神様・大御心の神様)
 月(つく)讀(よみ)の命(みこと)(日本社会創造の陽の陰の神様・大御心を補佐する神様)
 建(たけ)速(はや)須(す)佐(さ)之(の)男(お)の命(みこと)(日本社会創造の陰の神様・大御心を具体的に実行する神様)

〇天照大御神 「伊(い)邪(ざ)那(な)伎(き)の命(みこと)の左目(陽の陽||)から生まれた。天命は、伊(い)邪(ざ)那(な)伎(き)の命(みこと)が担ってきた陽の神様の後継者として高天原(宇宙空間・太陽)から日本の国を見守って、山川草木を含むありとあらゆる生命体が何を望んでいるかをよく知り、その望みを叶えることである」
〇月(つく)讀(よみ)の命(みこと) 「伊(い)邪(ざ)那(な)伎(き)の命(みこと)の右目(陽の陰・|)から生まれた。天命は、夜の高天原(宇宙空間・月)から日本の国を見守って、陽の陽の神様である天照大御神を補佐することである」
〇建(たけ)速(はや)須(す)佐(さ)之(の)男(お)の命(みこと) 「伊(い)邪(ざ)那(な)伎(き)の命(みこと)の鼻(陰・)から生まれた。天命は、これまで伊(い)邪(ざ)那(な)美(み)の命(みこと)が担ってきた陰の神様の後継者として、四方を海に囲まれている日本の国に住んでいる人間たちが何を望んでいるかを知り、望みを叶えるような国土を開拓する役割を担っている」

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