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時の物語 周易六十四卦 校正 32

四十九.抜本的に変革する時

 人や組織(小は家庭から大は国家まで)には抜本的な大変革を必要とする時がある。人の場合は「生き方」を大きく変える時、一大発心する時が該当する。組織の場合は今の体制を抜本的に変革(大変革)しなければ存続できない時。日本の歴史では明治維新が該当する。人や組織を取り巻く環境が激変した時、その環境に適合するには、今の考え方や体制を抜本的に変革(大変革)することが求められる。

 「抜本的に変革する時」の主人公は「十八.刷新する時」で登場し経済植民地として米国に隷属している日本の主権を取り戻すために立ち上がった「あなた(わたし)」が、その後どうやって日本の主権を取り戻したかという夢(こうなればいいなぁ)物語である。

 令和○○年、心ある人々が予(かね)てから心配していた事態が現実化した。C国が尖閣諸島に侵略してきたのだ。ある時数十艘の民間漁船が尖閣周辺で漁を始め、徐々に魚釣島に近付いていき漁師を装った元兵士が次々と上陸して居座ったのだ。軍隊が侵略してきたわけではないので自衛隊は手を出せない。民間漁船に交じって漁船を装った戦艦が複数周辺を取り巻いて威嚇しており海上保安庁も手が出せない。C国に阿(おもね)る日本政府が手を拱いている間に機材が運び込まれ簡易住宅ができてしまった。尖閣諸島は自国の領土だと毎日領海侵犯を繰り返して実効支配を主張するC国が上陸した自国民を保護する名目で空母も出してきた。日本が頼りにしていた米国は尖閣諸島は日本が実効支配しているとは認めずに静観している。これまで十分予想できた事態なのに何の準備もしてこなかった日本政府は「遺憾だ。遺憾だ」と繰り返すだけでまともに交渉すらできない。国民の多くはC国の侵略などあり得ないと思っていたようだが、目の前で白昼堂々と侵略される様を見て動揺しパニックに陥っている。中国大使館の前には十万人を超える民衆が集まり中国に抗議している。日本は尖閣諸島を守るために国有化はしたが、現政権が嘗て公約に掲げた公務員の常駐、船着き場の整備など全く行わず、毎日のように続いたC国の領海侵犯を許し続けたツケがこのような事態を招いた。誰が見ても尖閣諸島はC国が実効支配している。実効支配する努力を怠り続けた日本を、世界の国々は冷たい視線で静観しており、C国に対する批判は全く聞かれない。
 今さらながらの感があるが、この事態になって初めて国民は自国の無防備さに気付いた。このまま今の政治に委ねているとC国はやがて沖縄を侵略しかねない。C国とR国が連携して沖縄と北海道を同時に侵略してくる可能性だってある。多くの国民がそのように思った。今の日本にこの事態を打開してくれる気骨のある政治家は存在しない。戦後政権を担い続けてきた与党は、嘗ては保守本流と呼ばれる政治家が一定数いたが、令和五年金権問題が発覚して以来少数派となり、与党内で影響力を持っていない。今回の事態に対しても個人として毅然とした発言をする政治家はいるが、政党としての動きは見られない。連立を組んでいるK党や野党第一党のR党も中国に取り込まれている。O党もK党も同様でお話にならない。このままでは、日本は米国とC国のダブル植民地になりかねない。以下省略。

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