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人生に役立つ易経 澤水困

 困難な物語(凶運)をわたしの主観でランキングすると、一位三六地火明夷、二位二九坎為水、三位四七澤水困となる。逆に幸福な物語(盛運)をわたしの主観でランキングすると、一位十四火天大有、二位三七風火家人、三位一乾為天となる。
 凶運と盛運は循環している。凶運の時や流れが終われば、盛運の時や流れに入って行く。困難(凶運)の度合いが高い澤水困の時を乗り越えれば、幸福(盛運)の度合いが高い物語(火天大有、風火家人、乾為天)のいずれかに移行すると信じて、命懸けで澤水困の時に対処するのである。

 以上が澤水困の概要である。
 ここから先は原文(漢文と書き下し文)を示した上で、初心者でも理解できるように意訳していく。

困、亨。貞。大人吉无咎。有言不信。
○困(こん)は亨(とお)る。貞(てい)。大人は吉。咎(とが)无(な)し。言ふ有れども信ぜられず。
 困は命がけで困難に対処する時。澤(上卦兌)から水(下卦坎)が溢れて出て乾(ひ)涸(から)らびてしまった状態の時である。
 困難に悲観して意気消沈することなく泰然と自得して、正しい道(道德)を固く(命がけで)守るが宜しい。大人(九二と九五)ならば困難を脱して幸運を招き寄せる。過失は犯さないし誰からも咎められない。
 困難の真っ直中にある時は命がけで考え行動することが求められる。言葉で何を言っても誰も信用してくれない。黙々と行動して道德(仁)を養うことが肝要である。以下省略。

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