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人生に役立つ易経 天風姤

 天風姤☰☴は怖い時である。誰もが一番下にスッと入り込んできた陰爻が及ぼす害悪に気付かない。むしろ、一陰五陽の陰爻に魅力を感じて近付いて行く。害悪と知らずに近付いて行けば、害悪はアッという間に全体に広がる。
 一番下に入り込んできた陰爻の害悪にいち早く気付くのは五爻のトップである。五爻のトップは指揮官なので自ら動くことはできない。そこで、陽爻同志ながら志を同じくして応じている二爻に命じて、陰爻の害悪が全体に及ばないようにする。
 明治維新以来、近代化を図るべく明治天皇を頂点に戴き、驀進を続けて世界の一流国となり、自国を守ると共に東南アジアの植民地を独立させるために大東亜戦争を戦った日本が、戦争に敗れてGHQという害悪が日本社会にスッと入り込んできた。GHQの危険性を察した昭和天皇は敗戦の年に「松上雪(しようじようのゆき)」と題する和歌を詠まれ、昭和二十一年歌会始の時に御製として発表された。
「ふりつもる、み雪にたへて、いろかへぬ、松ぞををしき、人もかくあれ 」
 「ふりつもるみ雪」とは、日本人の精神を骨抜きにするために行われたGHQの占領政策であろう。その「み雪」に耐えて、色ひとつ変えない(本来の精神を貫いている)「松」の木は何と雄々しいことであろうか。日本の国民も真っ白な「み雪」が覆って、本来の姿(本来の精神)はすっかり隠れてしまっても、やがて「み雪」が溶ければ、本来の姿(精神)がスックと現れる「松」の木のように、GHQの占領が終われば、本来の日本精神を取り戻してほしいと昭和天皇は願ったのであろう。
 そこで、天風姤の五爻である昭和天皇は二爻の歴代政府・総理に初爻の害悪が日本全体に広がらないような政治をせよと命じたのであろう。ところが、歴代政府・総理は目先の経済成長に目を奪われて、本来の日本精神を取り戻すことをおざなりにして、戦後レジームの枠組みに囚われてしまった。今や本来の日本精神は風前の灯火になってしまったのである。以下省略。

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