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人生に役立つ易経 雷風恒

 雷風恒は女性が家庭を守り、男性が外で働くという形になっている。上卦下卦は外卦内卦とも云う。外卦震☳の男性が家の外で働いて(震の奮い動く性質)生活費を稼ぎ、内卦巽☴の女性が男性が財布の紐を握って家計を支えたのだ。
 夫である外卦震☳には「動く、進む、積極的、決断、勇気がある、意欲がある、勉励(職務に務め励む)」という性質がある。外で働く男性に欠かせない性質である。内卦巽☴には「巽順(柔順)、教化、伝達、応接、斉(ととの)う」という性質がある。家を守る女性に欠かせない性質である。
 夫は積極的・意欲的に職務に務め励み、常に動き進んで社会を支える。時には勇気を持って決断し社会の中で信用を得る。妻は夫に柔順に従い、子供を教え導き(教化)、夫の仕事関係者や近所の人々と応接して、善き家庭を築き上げる(斉(ととの)う)のである。
 以上が理想的な夫婦の在り方だが、現在の日本は随分変わってしまった陽(男性)と陰(女性)の役割分担が混乱して社会がどんどん壊れいる。実に哀しいことである。
 澤山咸と同じように、女性の気持ちの中で男性が占める位置を卦象から見てみる。お付き合いしていた澤山咸の時には女性の気持ちに占める男性(☰)の位置は高かった(・☰・・)が、結ばれ結婚して夫婦となり、幾久しく歩み続ける雷風恒の時になると、女性の気持ちに占める男性の位置は、お付き合いしていた時に比べると低くなる(・・☰・)のである。対外的には妻は夫を立てるので夫は体面を保つことができるが、家に帰ると妻の尻に敷かれるようになるのである。夫が外で稼いできた生活費を全額妻に渡し、妻が家計という財布の紐を握っているという在り方は、日本独自の夫婦の関係であり、その関係が幾久しく共に歩み続ける雷風恒の時を支えているのである。

 以上が雷風恒の概要である。
 ここから先は原文(漢文と書き下し文)を示した上で、初心者でも理解できるように意訳していく。以下省略。

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